タダ券を某所より入手したので、「パフューム-ある人殺しの物語-」を見てきた。
同名の小説については、友人や「ほぼ日刊イトイ新聞」での糸井重里のコメントからその面白さは知っていた。また、WEB上のニュースからさまざまな情報を得ていた。それらを総合すると、
見る前の私の心の中は、「期待半分、怖いもの見たさ半分」といったところ。
さて、映画はどうだったか。
結論から言うと、人並みはずれた嗅覚と、天才的な調香の能力、そしてその二つによって生み出された究極の香水作りへの欲望に支配された人間が引き起こす恐るべき悲劇がそこにはあった。約2時間半という長い映画であるにも関わらず、長さはほとんど気にならなかった。最後まで集中力を切らさず見てしまった。
その理由は、まずストーリーそのものの面白さ。世界的ベストセラーになるのも納得。展開のテンポも良い。じっくりみせるべきところと、ドライにみせる部分のメリハリがしっかりついていたのも退屈しなかった理由だろう。
また、映像や美術も凝っていた。現実の世界の部分はベージュや、黒、灰色といった暗く、くすんだ色がベースで、一方「美しい香り」の世界は明るい色味で描かれていた(まあ、場面によりけりだが)。特に、冒頭の魚市場のシーンは、悪臭漂うパリの中で最も臭いといわれた魚市場のにおいが伝わってくるようなグロテスクなもの。かなり気色悪く、かつ刺激的だった(映画全体としてもかなり刺激的なのだが…)。
だが、気になるのが、作品中でのナレーションの多さ。
冒頭から最後まで、随所にナレーションが入っていろいろと説明していくのは、正直作り手の手抜きではないだろうか…と途中で食傷気味になってしまった。「エンタメ」映画だから、かもしれないが、見る側のイマジネーションを誘うようなつくりにしても良かったのではなかと思う。
なお、私は全編を通して普通に見ていたのだが、一緒に見に行った友人のうち、一人は映像の気持ち悪さにずっと口を押さえており、もう一人はずっと映画に独り言で突っ込みを入れていたらしい…。人によってはちょっとキツいものがあるのかもしれない。一人で行くのはあまりお勧めしない。良くも悪くも語りたいことが出てくる映画なので。
ところで、この作品のクライマックスのシーンで、スペインの舞踏団「ラ・フラ・デルス・バウス」が協力していた。ものすごくダンス的もしくはパフォーマンス的なものになるのかと思っていたら、予想外に自然なシーンである意味肩すかし。
同名の小説については、友人や「ほぼ日刊イトイ新聞」での糸井重里のコメントからその面白さは知っていた。また、WEB上のニュースからさまざまな情報を得ていた。それらを総合すると、
見る前の私の心の中は、「期待半分、怖いもの見たさ半分」といったところ。
さて、映画はどうだったか。
結論から言うと、人並みはずれた嗅覚と、天才的な調香の能力、そしてその二つによって生み出された究極の香水作りへの欲望に支配された人間が引き起こす恐るべき悲劇がそこにはあった。約2時間半という長い映画であるにも関わらず、長さはほとんど気にならなかった。最後まで集中力を切らさず見てしまった。
その理由は、まずストーリーそのものの面白さ。世界的ベストセラーになるのも納得。展開のテンポも良い。じっくりみせるべきところと、ドライにみせる部分のメリハリがしっかりついていたのも退屈しなかった理由だろう。
また、映像や美術も凝っていた。現実の世界の部分はベージュや、黒、灰色といった暗く、くすんだ色がベースで、一方「美しい香り」の世界は明るい色味で描かれていた(まあ、場面によりけりだが)。特に、冒頭の魚市場のシーンは、悪臭漂うパリの中で最も臭いといわれた魚市場のにおいが伝わってくるようなグロテスクなもの。かなり気色悪く、かつ刺激的だった(映画全体としてもかなり刺激的なのだが…)。
だが、気になるのが、作品中でのナレーションの多さ。
冒頭から最後まで、随所にナレーションが入っていろいろと説明していくのは、正直作り手の手抜きではないだろうか…と途中で食傷気味になってしまった。「エンタメ」映画だから、かもしれないが、見る側のイマジネーションを誘うようなつくりにしても良かったのではなかと思う。
なお、私は全編を通して普通に見ていたのだが、一緒に見に行った友人のうち、一人は映像の気持ち悪さにずっと口を押さえており、もう一人はずっと映画に独り言で突っ込みを入れていたらしい…。人によってはちょっとキツいものがあるのかもしれない。一人で行くのはあまりお勧めしない。良くも悪くも語りたいことが出てくる映画なので。
ところで、この作品のクライマックスのシーンで、スペインの舞踏団「ラ・フラ・デルス・バウス」が協力していた。ものすごくダンス的もしくはパフォーマンス的なものになるのかと思っていたら、予想外に自然なシーンである意味肩すかし。
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by turujun
| 2007-03-24 13:50
| 映画