舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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2008年 08月 16日 ( 1 )

8月16日(土)3部。

歌舞伎座といえば、チケットの一般発売が平日なこともあり、まず前売りは買えないだろう…と思いハナから一幕見狙いでいたこの公演。
早めに劇場へ…と思って午前中に到着したら何人もの劇場の係員に「本当に3部まで待つの!?」と呆れられた。
そんな少々お寒い状況にも負けずに本など読みつつ待とうかな…と思っていたら、役者持ちのチケットにキャンセルが出たということで、それを譲ってもらえることに。何とS席、しかも前から12列目で花道の近くという超良席。

おかげさまで、今回初めて花道で行われていることの様子を一部始終観ることができた。

「紅葉狩」は中村勘太郎が女形で更科姫&鬼女を演じたもの。これまで女形の勘太郎は観た覚えがなかったのでイメージが湧かなかったが、平維茂を演じた橋之助より素で大きいんじゃない?という体格はさておき、なかなか可愛らしい姫ぶりだった。
とはいえ、この作品で私的に最も目を引いたのは中村鶴松演じる侍女・野菊。その姿はもちろん、平維茂一行の前で披露した舞がとても可憐。たぶんこの子は何年前かにやった「野田版・鼠小僧」で子供役を演じていた子。これによると、現在13歳。中学生だからこそ、素があまり男男していないというところでアドバンテージがあるとはいえ、逆に言えば若さや経験不足ということもあるわけで。でもそれを全く感じさせない舞のうまさは一体なんだあれは。彼の舞の瞬間は、メジャーな役者が居並ぶ中で、この日一番ぐっときたときだった。

さて、お目当ての「愛陀姫」。結論から言うと、「THE DIVERで忙しかったのでしょうか?野田さん…」。
個人的な意見としては、「野田版・研辰の討たれ」を頂点に、作を重ねるごとにクオリティが落ちているように思える野田版歌舞伎。今回はオペラの「アイーダ」を原作とした歌舞伎なのだが、歌舞伎というよりは、出演者が全て男性で、時代が戦国時代とした劇であるようで、以前の作品にあったような、歌舞伎とガップリ四つに組むような演出が殆ど観られなかったのだ。
また、舞台装置も前回までの空間を活かした立体的な構造ではなく、ずいぶんと平面的なものであったのもがっかりポイントの一つ。
参加しているスタッフが豪華でも、そこにきちんとした方針がないことにはその能力も生きてこないのだなあ…と心底思ってしまった。

ただ、愛陀姫を演じた七之助は、勘太郎と比べるまでもなく、ほっそりとしていて「ザ・女形」という印象。彼を見てしまうと、やっぱりその前の勘太郎の更科姫はゴッツイ(衣装のシルエットを差し引いても絶対ごつい)。

舞台の感動を決めるのは席種ではないことを痛感したひと時だった。

【余談】
花道横・最前列の一階桟敷席に「パッチギ」の井筒監督の姿を発見。彼はやはり歌舞伎も「こちとら自腹や」なのでしょうか?そうであるなら、ぜひ本音レビューをお願いしたい。
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by turujun | 2008-08-16 18:15 | 演劇