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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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2008年 05月 03日 ( 1 )

久々に映画鑑賞。

雑誌での評価が非常に高いこともあり、この映画は気になっていたものの、いつ見るというのは決めていなかったのですが、先日たまたまシネスイッチ銀座前を通りかかったときに時間が合ったので、ふらりと入ってみた。


この物語の登場人物は、スタンレーとその二人の娘ハイディ・ドーン。母親はイラク戦争に出征している。ある日、その母親がイラクで戦死したことを知らされるが、スタンレーはその事実をなかなか娘達に言い出せないでいる。本人もショックを受ける中、なかなかその話を切り出せずにいるうち、父親は娘達を連れて突如旅に出る。その道中で起こるいろいろな事件を経て、最後に父親が母の死を娘達に語り、その事実を家族全員が受け入れていく様を描いている。

アメリカ軍はイラクに駐在しており、実際にアメリカ軍の戦死者の中に女性がいる状況にある現在、この話は決して起こりえない話ではない。一歩間違えば反戦映画になるであろうテーマであるにもかかわらず、この映画はそうではなく、あくまで家族の再生を描いた作品になっている。
そうなりえた理由としては、まず単純に映画の中で明確にこの戦争のことを語る場面というのが出てこない(冒頭にハイディがイラク関連のニュースを見ていること、スタンレーが出征者の家族によるグループセラピーに参加している事ぐらい)ことがある。
また、登場人物の一人の目を通してではなく、そのシーン一つ一つを第三者の目で見るかのように描いているので、そこに誰か一人の思想や観点が入り込むことがない。それにより、この映画は家族の関係の変化という、より個人的な面に焦点を合わせた映画になったのだと思う。

そういうことを考えると、直接的な言葉をできる限りさけ、それぞれの場面でのさりげない日々の会話の言葉で関係の変化を徐々に描いていっているこの映画の脚本といい、それをきちんと形にしている演出といい、本当に良い(この映画の監督は脚本も自ら手がけているそうです)。

地味だが、丁寧に作られた作品。最後のシーンで思わず落涙。小説や演劇では、それがどんな作品であれほとんど泣かないのに(除:「父と暮らせば」)、映画だと結構泣いてしまうのはなんでだろう?


【余談】この作品に出ている子役二人は、ともに映画初出演とのこと。とりたてて美形という感じはしないのだが、見ているうちにじわじわとくるキュートさが伝わってくる。
by turujun | 2008-05-03 14:23 | 映画