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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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2007年 09月 24日 ( 2 )

遊園地再生事業団の作品は、さまざまなこと・ものへの知識がないことには完全には分からないようにできているように思える。何というか、教養が求められる演劇というか。
もちろん、何も知らなくても何かを感じることはできるし、それなりに楽しむことができるようにはできているのだが、「これ」を知っていれば、もっと創り手の意図するところが分かる、みたいなことが他の作品に比べて多い。言い換えれば、観る者に教養を求めている、何か教養を持っていなければ楽しめない「仕掛け」が随所に仕込まれているように思うのだ。


今回の作品について明らかなのは、一つは現代の演劇シーンにおける若手の表現の特長であり、もう一つはギリシャ悲劇「アンティゴネ」だ(これは当日パンフでも明言している)。

私は前者については、それを明示できるわけではないし、後者については恥ずかしながらほぼ全く分からないので、もう目の前に起こることをそのままに受け止めるしかなかった。
そういう私が観ても、この作品はそれなりに面白いと思ったし、私がこれまで観てきた遊園地再生事業団の作品よりはついて行き易い内容であったように思う。

ただ、面白さが理解に結びつくかといえばまたそれは違う話で、作者が意図するテーマにたどりつけてはいない。この作品はとにかく情報量が多い。それは幼い頃に生きているかどうか分からない兄を探す二人の兄弟、ニュータウンに土地を買おうと考えている若い夫婦、ビデオショップで働くフリーターの恋、ニュータウンの土地を売るセールスマン、ダンス普及会、かつて詐欺を働いた元・考古学者など、盛り込まれた人物の人数からも分かる。そしてそれらはそれぞれのエピソードは断続的に入れ替わり立ち代りしながら展開され、最後に一つの結論に集約…されない。

だから結論を求める人には分かりづらいかもしれない。むしろ散らばった多くのエピソードを拾い集めてああでもないこうでもないと思索する人には面白い作品であるかもしれない。


【余談1】
一番最後の映像は、強烈な警句であるものの、そのビジュアルの類似性から二つを並べてしまうのは、イメージとしては理解できても、それまでの舞台での積み重ねが立ち上げてきたものから突然飛躍して現れるように思えた。



【余談2】セットの鉄骨のゲートは、白いスクリーンが仕込まれていて、それが上下してそこに映像が映し出される。スクリーンが下りてくるときが、何だかギロチンの刃が下りてくるように見えた瞬間があり、そのとき作品の中にある得体の知れない不安感とは違う怖さが走った。
by turujun | 2007-09-24 23:15 | 演劇
この次期のほぼ毎年恒例となりつつあるコンドルズのシアターアプル公演。「もういい加減いいだろう」と思いつつ、今年もチケットを取ってしまった…。

いつもはコントあり、人形劇ありのにぎやかなコンドルズだが、今回はタイトルがこれなもので、上記2つの要素はほぼなし。(上演開始直後のなぞの習字大喜利のときは小林顕作のみアドリブ爆発だったけど…)

その後も、クライマックス部分以外は台詞なしの、ダンス・ときに身体表現がほとんどだった。

こういう展開って以前にも見たなあ…と思い出したのは時事通信ホールで見た作品。さきほど調べてみたら2004年春の公演で、タイトルは「沈黙の春」。どうやら「沈黙」シリーズ。コンドルズのHPで過去写真を見てみると、どうやら同じネタを結構やっているようで、それゆえデジャブを頻繁に感じたわけだ…だが、新鮮味はないのだが、ここまで体だけでやるか?というバカバカしいレベルのことをやっているわけでそれ自体は面白い。
「春」のときには、にぎやかでバカバカしいのがコンドルズのよさだと思っていたので、さほど面白いとも思わなかったが、今回は「体」メインのコンドルズを堪能できたと思う。

また、今まではやたらとCGを使った派手な映像が多かったのが、今回は取った映像を単純に編集したような、素朴な映像Onlyだった。これにはいろいろ事情があるのだろうが、それもあって
最近のコンドルズはバンドプロジェクトの告知が多くて正直orzではある(ゆえに、冒頭の「もういいかな…」という思いが湧いてきている)ものの、今回の作品は、派手なオプションを取り外し、体というシンプルな存在で最大限やれるところまでやっているところに好感が持てた。
昔のような熱狂まじりの満足感はもうないけど、でも作品にまっすぐ向き合って見られる今も良いのかもしれない。


作品とは全く関係ない話ではあるのだが…「沈黙の春」のときに比べて、コンドルズのメンバーが漸減している…今のままでも十分多いとはいえ、過去の写真を見ていて「ああ、この人いなくなっちゃったな…」と改めて思い寂しい気分にならないでもない。
by turujun | 2007-09-24 10:11 | ダンス