舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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キュピキュピ「キャバロティカ」@スパイラルホール

 スパイラルの階段を上りきると、そこは樹脂でできたチープでキッチュなド派手空間でした。

 キュピキュピは、京都を拠点とするアートユニットらしいが、今回ほぼ初・東京進出だそう。この「ほぼ」は、かつて彼らがメジャーになる前に何気に東京で公演を行っていたらしいという情報を耳にしたから。
 そしてロビーに入るなり目にするのは、極彩色に彩られた魚人間のオブジェ(ビッグフィッシュというキュピキュピのキャラクターの一つ)やら、黒いミニスカートのワンピースに白いフリルのついたエプロンを身に付けた、セクシーなウェイトレス、壁のライトに取り付けられたかえるや魚の顔のオブジェほか、普通の空間ではまず眼にすることがないような、異形のものの数々。そのごった煮感に、始まる前からちょっとくらりとする。
 ホールに入ると、下手側に花道を備えた舞台と、舞台前にあるテーブル席。上手にはアコーディオンやチェロ(?)奏者がスタンバッている。何がこれから始まるのかしらん、といやが応にも期待は高まろうというものだった。
 で、実際本編はどうだったかというと、洗練とエロが共存する映像に彩られた昭和歌謡ショーというところ。この公演は、観客が自ら楽しめるパフォーマンス。逆にいうと、ただ「観賞」しに来た人にとっては、少々怖いもしくはサムい1時間半かもしれない。
 この作品は、観客がパフォーマーに対して声をかけたり、パフォーマーからの呼びかけにノリ良く応えてはじめて良いものになるように思った。私の観た回は、キュピキュピ経験値の高そうな人達がパフォーマーとの掛け合いにテンション高く興じていたこともあって、他の観客も一緒に盛り上がれていたと思う。だから、このユニットは、いきなり乗り込んでどーん!と公演を打つよりも、もうちょっと小規模なところで公演を繰り返すことで、パフォーマンスの乗り方を観客に知ってもらう、つまり観客を育てることをした方が良いと思った。
 また、めくるめく映像もだだっぴろく高い天井のスパイラルホールだとパフォーマンスとの一体感が薄れて、良さが生かされないように思えた。映像を生かすという意味でも、密閉感がある小規模な場所でやる方が今の時点では良いのではないかと思う。
 そして何よりこのユニットのパフォーマンスを楽しむため必要なのは、…いい感じに酔っ払うことかな。
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by turujun | 2004-08-30 15:45 | アート