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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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岡崎藝術座「ヘアカットさん」@駒場アゴラ劇場

とりあえず言えるのは、「セット券買ってます」。







さて、2回目の観劇となる岡崎藝術座。今回は「ヘアカットさん」というタイトルなので、美容院もしくは床屋の話なのかと思いきや、多少はあるけど、大半は違う。
そしてこの劇団は終始音楽が流れているし、役者は良く歌を歌うし、よく踊る。でもミュージカル劇団ではない。というのは、歌うことそのものは、ミュージカルにておいてそうであるような作品の中で台詞として機能するものではなく、ダンスもコンテンポラリーダンスのムーブメントに近い動きだったり、手話を一つのムーブメントとして採用していたりして、その位置づけがミュージカルにおけるダンスのそれとは違うように思う。見た目だけでいうとチェルフィッチュを思い出したりするのだけど、この劇団における体の動き(≒ダンス)の位置づけはどのようになっているのだろう?すごく気になる。

ところで、、この作品の内容という点においては若者の生活とか恋愛とかを描いているようでいて、実はえらく荒唐無稽なところがあったりもして、いわば日常を描いているようで実はファンタジーみたいな作品なのである。
日常を描いているけどファンタジー(or非日常)といえば、前田司郎(五反田団)の得意とするところだが、岡崎藝術座は、それとはまたちょっと違う方向性であるように思う。前田司郎の場合は、その作品の世界そのものが日常でありながらも非日常へとシームレスに続いているようであるのに対し、岡崎藝術座の場合は、日常の中に非日常が唐突に差し込まれていくという、不条理にもほどがあるのだ。それでいて結末は意外にも、それまでの不条理はさておき、実にあっさりとしたものだったりする(これまた不条理!)。

なんともまとまりのない感想で恐縮なのだが、いちおうまとめるとすると、彼らは、上に名前を挙げたような、2000年代に入って駒場アゴラ周辺で活躍した劇団の方向性をかなり踏襲しつつ、そこから「現代口語演劇」を取り去って別の要素(それが音楽か?)を充てこんでいるといえるのではないだろうか。




坊薗初菜と内田慈は素直に素敵なのに、男性陣はちょっとずれてて面白い方向性を狙っているのか…?特に「ヘアカットさんとか」。
by turujun | 2009-10-18 14:00 | 演劇