舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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smartball「kiss me, deadly」

王子小劇場の佐藤佐吉演劇祭が現在開催されている。このフェスティバルでは観客向けの試みがいくつかあり、そのうちの一つに「フェスティバルの全8作品を見た人で15万円山分け」というものがある。対象は全ての公演を有料で見た人だ。

私は柿喰う客を観にいってこのイベントを知り、興味本位で参加した次第。でも、新しい才能に出会えるチャンスを得られてかつあわよくば15万円…ウフフ、という楽しみがあるのはなかなかステキなことではないだろうか。

というわけで、今回佐藤佐吉演劇祭の2作品目、Smartball「kiss me, deadly」を観てきた。

客入れのときから大音量でものすごいロックを流していたのでバンドの話かと思いきや、さにあらず。湘南のどこかに住む、三人姉妹の物語。拳銃の密売に手を染める長女、会社員をやりつつバンド活動をしている次女、姉の下で売春をしている手癖の悪い三女の三人の絆を描いた話だった。

こういう世界が実際にあるのかどうかは別として、舞台上にその世界があることを信用させるほどの力があったか?というとなかった。
その理由は一体何かと考えたときに一番に挙げられるものはやはり、物語そのものがつくりものめいていることと、それを形にする上で、かなりリアルな形を追求したがゆえに、「つくりもの」感が増大してしまったというところだ。
舞台上で生々しい前戯をやってみせたり、生着替えしてみたり、裸の人を出してみたりするところはポツドールぽくあるのだが、ポツドールにはそうすることが表現として必然であるのに対し、smartballの場合には、かならずしもそうしなければこの世界観が作れないというものではないように思えた。ムダに脱いで、一般的には人の目に触れないところで行われていることを人前でやることで、ショックを与えようとしているのかもしれないのだが、その手の表現についてはすでに先例があるがために狙ったほどの効果はなかったのではないだろうか。
それぞれの役の造形も弱いな…と思った。しっくりと来ている人の方が少なかったぐらいなのだ。一番はまっていると思ったのは、風琴工房の宮崎美子が演じていた村岡(だったか?)という、長女の商売敵役だった。実際にこんな人いるのかどうかという点では「?」だが、風琴工房のイメージとは全く違う裏家業の女を、文字通り体を張ってド迫力で演じていたのが印象に残った。
それからすると、他の人はメインを含め、弱いという思いが否めない。

また、結末もそれまでの状況で積み上げてきたものからすると少々情緒に流れてしまっていた。
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by turujun | 2008-07-20 11:24 | 演劇