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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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「数寄の玉手箱 三井家の茶箱と茶籠」@三井記念美術館

特に何も見る予定のない日曜日。
そういえば、日本橋で茶箱の展覧会やっていたな~なんて軽い気持ちで出かけてみたならば、会期が6月29日まで。7月までやっているものだとばかり思っていただけに、びっくりして思わず入館。

閉館まで1時間弱、ということでかなり駆け足での鑑賞になってしまった…。

今回の展示は、企画展のものは全て三井家からの寄贈のものということ。
時代によって展示室を変えて展示されていたのだが、その一つ一つの部屋に展示されている道具類の芸の細かいこと、贅沢なこと。
道具なんて一つ揃っていれば良さそうなものなのに、違う組み合わせの道具の茶箱をいくつもつくってみたり、一つの籠の中に、一つの種類の道具が2つ三つ入っていて、そのときどきで使い分けられるになっていたり。箱を作っている素材が薬師寺の古材であったり、箱の装飾として自分が使っている櫛を使ってみたりとその茶箱・茶籠を作った人の趣味や趣向が感じられる。
箱に入れて持ち運ぶだけに、道具類は全て普通のものに比べて小ぶりのカワイイサイズ。こうしてみると大人のおままごと道具のようだった。
個人的にツボだったのは、伝・雪舟という掛け軸。茶箱用の掛け軸は幅が普通のものの1/3~1/4ぐらいとこれまたサイズが小さいのだが、サイズ以外の部分は普通の掛け軸と同じように仕立てられているところが面白い。
また、茶箱にコンロが入っていたり、野点用の風炉があったりと、旅行中でもきちんとした道具でお手前ができるようになっているのもスゴイ。

お茶の道具でよくいわれる格付の対象にはならないものではあると思うが、これだけの数のものを一同に集めて展示、しかもその出自が全てとある一族のものだと思うと、昔の豪商そして財閥の経済力の凄さを認識させられる…。
展覧会のタイトル「数寄の玉手箱」、まさにその通り。
by turujun | 2008-06-28 15:30 | アート