五反田団+演劇計画2007「生きているものはいないのか」
2007年 11月 06日
駒場アゴラ小劇場にて。
ある日突然、苦しみだしてどんどん人が死んでしまう、そのどんどん死んでいく様をただ見せるだけ、というかなりシュールな作品。
これがハリウッド映画だったら、主人公がとんでもない試練を乗り越え、最後に原因を突き止め、世界を救うぐらいの話になるのだろうが、この作品にはそんなものは一切無い。死んでいく人、それは友達だったり通りすがりなだけの人だったりするのだが、そういう人達を横目で見ながら、「死にたくない」とじたばたしつつ、やっぱり死んじゃう。
と書くとかなり絶望的なように思えるのだが、そこがそうでもないところが前田司郎のうまいところで、その日常から死ぬにいたるまでの人々の描写によって絶望からたまに笑いを作っていく。
最後にあるのは死でも、そこまでの生きている人間のばかさ加減とかそこから生まれる面白さをすごく上手く表現している作品だったなあ、と思う。
基本的に登場人物は役者のキャラありで作られていた模様。それはワークショップを通じてつくったからできたことなんだろう。
(余談)
登場人物は、死ぬ間際にすごく苦しんで暴れまわる。で、バタッと倒れて「死んだこと」になるわけだが、何気に息が荒くなっていて背中や胸部が派手に上下している人が散見された。最前列で見ていただけに、「生きてるじゃん」と思って、ものすごく気になった。まあ、大人なので「この人は死んでいることになっているのだな」というお約束は認識しているものの、気になったんですわ。
【2008年1月29日追記】
この作品の戯曲で、前田司郎氏は岸田国士戯曲賞を受賞しました。おめでとうございます。
毎年候補にあがっては落ち、を繰り返していた前田氏ですが、ようやくの受賞となりました。
個人的には、この作品より戯曲として優れている作品は過去の前田氏の候補作にはあったと思っており、この作品で受賞するのは少々意外な感じがします。
ある日突然、苦しみだしてどんどん人が死んでしまう、そのどんどん死んでいく様をただ見せるだけ、というかなりシュールな作品。
これがハリウッド映画だったら、主人公がとんでもない試練を乗り越え、最後に原因を突き止め、世界を救うぐらいの話になるのだろうが、この作品にはそんなものは一切無い。死んでいく人、それは友達だったり通りすがりなだけの人だったりするのだが、そういう人達を横目で見ながら、「死にたくない」とじたばたしつつ、やっぱり死んじゃう。
と書くとかなり絶望的なように思えるのだが、そこがそうでもないところが前田司郎のうまいところで、その日常から死ぬにいたるまでの人々の描写によって絶望からたまに笑いを作っていく。
最後にあるのは死でも、そこまでの生きている人間のばかさ加減とかそこから生まれる面白さをすごく上手く表現している作品だったなあ、と思う。
基本的に登場人物は役者のキャラありで作られていた模様。それはワークショップを通じてつくったからできたことなんだろう。
(余談)
登場人物は、死ぬ間際にすごく苦しんで暴れまわる。で、バタッと倒れて「死んだこと」になるわけだが、何気に息が荒くなっていて背中や胸部が派手に上下している人が散見された。最前列で見ていただけに、「生きてるじゃん」と思って、ものすごく気になった。まあ、大人なので「この人は死んでいることになっているのだな」というお約束は認識しているものの、気になったんですわ。
【2008年1月29日追記】
この作品の戯曲で、前田司郎氏は岸田国士戯曲賞を受賞しました。おめでとうございます。
毎年候補にあがっては落ち、を繰り返していた前田氏ですが、ようやくの受賞となりました。
個人的には、この作品より戯曲として優れている作品は過去の前田氏の候補作にはあったと思っており、この作品で受賞するのは少々意外な感じがします。
by turujun
| 2007-11-06 19:00
| 演劇