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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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シルク・ドゥ・ソレイユ「DRALION」

今から遡ること15年前に日本に上陸したシルク・ドゥ・ソレイユ。

今日ようやく観た。

場所は代々木体育館の敷地内の特設会場。何となく「ジンガロ」を思い出させる会場のつくり。まあ、仮設会場というか、テントですから。

会場内は結構家族連れが多い。会場の2/3位(もっとかも)がSS席であることを考えると、子供料金があるとはいえかなりの出費と思われる。景気回復したから?それとも若い頃にシルク・ド・ソレイユにはまって、家庭を持ってからもついつい来てしまうとか?そんなことを考えながら、開演を待っていた。
 
 サーカスということで入り口の演目は、技のタイトルだけなのだが、ちゃんと作品テーマがあり、それにそって創られているとのこと。
「DRALION」のHP
それによると、東洋哲学からインスピレーションを得て、東西の文化を融合した作品といったものらしいのだが、単に東西というより、アジア・アフリカ・ヨーロッパ・南北アメリカなどなど、世界各地の芸術のエッセンスをミックスしたような内容だった。

 インターミッション30分をはさんでの2部構成。だいたい2時間半ぐらいだが、実際にはもっとみじかく感じられた。
 基本的に、メインの演目がいくつかあって、それが連続したり、クラウン役(実際には「キャラクター」という呼び方がされていた)によるつなぎを挟みつつ上演されていく。
 メインの演目は当然アクロバット。出てくるものは、TVでちょっと見たことがあるような感じなのだが、実際に作品として見ると、自分でも驚くぐらい引き込まれてしまった。なぜなら、その内容がことごとく「人間ってここまでできるのか」と思うようなことばかりだから。
  しかも「これでこのパフォーマンスは終わりだろう」と思う難易度のものの後に、「まだやれることがあるのかい!」というほど高度な技をやる。それを全ての演目でやる。演目によっては、失敗することもある。失敗したら、成功するまでやる(これはシルク・ドゥ・ソレイユの掟なんだろうか…とか思ってみていた)。再挑戦のときの演者の集中と、それが成功したときの喜び。真剣な演者の熱さが舞台の上からダイレクトに伝わってくる。だから、失敗したときは、観ているこちらまで息を飲み手に汗握り心の中でエールを送りつつ手拍子するし、成功すると、いっそう大きな拍手を送ってしまう。パフォーマンスを通じて、いつの間にか会場内が一つになっているのを感じた。普通の舞台ではまず得られない感覚だ。

 想像していた以上に面白かった。これなら誰を誘っても、がっかりさせることは無いと思う。
by turujun | 2007-04-14 16:30 | その他