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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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五反田団「さようなら僕の小さな名声」@こまばアゴラ劇場

この作品のチラシには、「主人公の僕が、小さな名声を得てそれを貧しい人々にあげるため旅立ち、いろいろなことをする話です。私小説ならぬ私演劇。」とある。実際そうであったところにこの作品の面白さがあるのではないだろうか。怪作にして快作。最近の作品の傾向を引き継ぎつつも、久々に五反田団らしいハチャメチャさがあって、いや、本当に面白いですよ。


この作品のあらすじは、劇団の団長であるところの「僕」が、ひょんなことから三越の包み紙で包装された「岸田戯曲賞」を2つも手にする。そのうちの一つを貧しい人たちに渡すため、貧しい人たちの住む国「マターン」へ新宿からリスが運転するバスに乗り込み団員の女とともに旅立つ。その一方で同居人の女は、押入れにいた大蛇に飲み込まれていた。マターンに着くなり、運転手のリスは殺され、そこでであったのは、父と、息子と、娘の三人家族。娘は大蛇と人間のハーフである。そこで彼らと僕は意気投合。バスに乗り込みニューヨークへ行き、マターン出身のセックスシンボル・ボウゾノに会うのであった。そしてそうしている間にも、女は大蛇に着々と飲み込まれていき、娘は世界を飲み込んでしまうのであった、という感じ。

現実的には、「私小説」の小説を「演劇」に変えたものとは到底いえない、破天荒な作品なのだけど、現実をたくみに織り込みながら、これならばもう笑うより他にない。
冒頭のインタビューシーンなんて、「本当にこれに似たことがあったのではないか?」といぶかしがりたくなるような、またハンバーグカレーをおごらされたことはなくとも、こういう悔しさを感じたことがあるんじゃないかと思うような台詞そしてシチュエーション。ものすごく自虐的な感じがする。


それにしても、この作品がもし岸田國士戯曲賞にノミネートされて無事受賞などしたら、その事実こそが相当面白いと思うのですが、どうでしょう?審査員の皆様。
by turujun | 2006-10-30 15:30 | 演劇