人気ブログランキング | 話題のタグを見る

舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

演劇or映画?

10月突入
などとかいておきながら、もう観にいったものがある。「髑髏城の7人~アカドクロ 映像版」)。金曜日に有楽町を歩いていたら、これを見つけて、むくむくと興味が湧いて、行ってしまった。

 これは、今年新国立劇場(!)で上演された、劇団★新感線の作品を映像化したもの。私の場合、演劇の映像というと、どうしても視点が限定されることから、主役の動きを追いかけがちになり、視点が限定されるので、作品そのものを観るというよりも、ただ話の筋を追っているようになって、かなりフラストレーションを感じることが多いが、この作品には、それがなかった。と、いうよりも、「舞台の映像」という感じがあまりしない。なぜかと考えたら、舞台全体が映っている映像がでてこないから。「普通演劇の映像だと、舞台の上下や左右、下手すると観客の一列目ぐらいまでが映りこんでそれが「舞台の映像」であることを思いしらされるのだけど、「舞台」全体が映る瞬間ってなかったんじゃないかな。舞台13人ものカメラマンを動員して撮影されているだけあって、カットが豊富なこと、豊富なこと。また劇団新感線の作品を理解している人が編集しているのだろう、その魅力が伝わるように編集されていて、舞台とはまた違う形の、「映像」としての「アカドクロ」を創ることに成功していたと思う。また、音響が抜群に良いので、それがまた臨場感をあおっていた。
 ライブ感というのはさすがにないけどかなり演劇に近い感覚でみることができたのには驚き。また、エンドロールが終わった時点で、客席から拍手が起こったのにも驚き。映画で拍手って普通ないものね。

 こうした演劇を舞台の記録として残す形ではなく、あくまで映像化の対象としてとらえて、その作品の持つ特徴を映像として分かる形で編集し提示する方法は、作品そのもののコンテンツの魅力を伝える手段として、さらには演劇に対して興味の少ない人にとっての演劇への導入となりうる。
 もちろん今回のようなスタイルはその作品の質がかなりマンガやアニメ的な要素を取り込んでいる劇団★新感線だからこそうまくいく、という面もある。こうした演劇の映像化については、映像化する側にその団体や作品の特徴を理解し、それを映像として織り込んでいける人間が不可欠だと思う。

 それにしても、これは、1回の舞台を沢山のカメラで撮影したものなのかしら?だとしたらアドリブの一つや二つありそうなのだけど。
by turujun | 2004-10-03 09:54