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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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青年団リンク・口語で古典「武蔵小金井四谷怪談」@駒場アゴラ劇場

GW中は何気にあまり舞台を観れないのでは…と思い、ちょっと気になっていたこの公演に足を運んだ。
実は、この公演の平日のポストパフォーマンスパフォーマンス?が相当気になっていたのだが、どう考えても平日は無理だ…というとで諦めていたものでもあった。

さて、この作品はタイトルにあるとおり、「四谷怪談」を下敷きにしたものらしい作品と、落語をもとにした作品の2本が切れ目なく上演された。しかしこの2本にはまったく繋がりはない。

四谷怪談の方は、舞台正面奥の壁に四谷怪談のあらすじを映写しながら、その前で役者が演技をする、という形態をとっていた。

その内容とは(ネタばれです。でももう公演は終わっているはずなので…)、「あるとき突然彼女の父親から、「娘と別れてくれ」といわれた男がひょんなことからその父親を殺してしまう。彼はその現場を目撃した女性に脅され、その女性の恋敵を殺すよう言われ、それを実行に移す。」というものを、「男」サイドと「彼女」サイドの視点から描いたもの。そのつくり自体はなかなか面白いのだけど、何と言うか、全体的にアイディア勝負なようで、アイディアが不発といった感じで、今ひとつ物足りないというのが正直なところ。

一方、落語をベースにした方は、うって変わってぐっと面白い。冒頭の山内健司が「岩井秀人」を演じているところとか、飛田新地で娼婦を買った一人がその娼婦と恋仲になってしまう妄想にとりつかれるあたりとか、こちらは演出のアイディアがズバリ当たったといって良いと思う。
特に、飛田新地での、岩井の友人2人のそれぞれが自分の選んだ娼婦と一緒に部屋へ行った時の、部屋の中の描写の表現が実にゆるく、そのゆるさが作品に良く合っていた。
古典のもつ温かさに対して冷静な目線を持ちながらも、彼自身の価値観に照らし合わせた「落語」を作りえたのではないかと思った。
by turujun | 2010-05-01 21:47 | 演劇