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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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boku-makuhari「スリープ・インサイダー」@アトリエヘリコプター

はじめて観たboku-makuhari。名前は以前から知っていたものの、ここのところ公演を行っていなかったのだ。

今年のはじめごろから、チラシが入り始めて、活動を再開することが分かり、観にいってみた次第。
公演は、夜公演のみ。日曜日なのにまさかの19時30分始まりである。海外のカンパニーみたいなことになっている。

さて、作品はというと、2部構成となっており、前半がタイトルにもなっている「スリープ・インサイダー」。登場するのは男性一人と女性一人。
理由も分からないまま、時間の経過がまったく分からないような構造の部屋に監禁された男女が、いつの間にか言葉攻めをしあうという内容だったように記憶している。
舞台が始まると、いきなり女性の叫び声から始まるので、場内の空気は相当に剣呑で、テンションが高い。そのテンションの高さは理由も分からず見知らぬ空間に閉じ込められた恐怖によるものなのだが、それがだんだんと男性と会話をするうちに、男性を何故か追い込んでいくうちに起きる精神の昂ぶりに変わっていく。
このやりとりが、冷静に考えると「何で初対面の人間にここまでやれるのか?」というほどに強烈なものなのだが、作品の流れの中にあると、意外なぐらいに自然にここに至る。言葉づかいも決して自然(現代口語的)であるとは言えないのに、そこに演劇的なものへの違和感はなかった。

この劇団の主宰であり作・演出の岩崎裕司はいわばゼロ年代(これ使うのは結構抵抗がありつつ、ぴたりと来る表現が思いつかないので、こうします)の演劇人なのだが、同時期の劇作家とは少々作品の傾向が違うようだ。より人間の内面的な暗さに強い関心があるように思われる。

なお、後半の作品は、どこかの山小屋のような場所での一組の男女の話。こちらは前半の二人も何気なく話しに入ってくるが、これが前半と同一人物なのかそうでないのかは明言されていない(多分違うと思われる)が、この二人が後半の物語にも入り込むことで、この前半と後半あわせて「スリープ・インサイダー」という一つの作品であることが示されていたのだろう、と思っている。

この作品は、一体何が言いたいのか?という部分については明快な提示がされることはない。そういうのも最近はあまりないな…という意味で、少々懐かしい感じがした。




そういえば、かなり前の五反田団とかチェルフィッチュとかペニノとかは、結構「これは一体何だったのか…」という思いを抱かされるけど、何となく何かある…という作品がわりにあったけど、最近は(ペニノはあんまり観てないので何とも言えませんが)、結構はっきりとした方向性が作品にあるので、「これは一体何なのか」という部分でのフラストレーションって感じることがなかった。今回のboku-makuhariには、分からなさに対するフラストレーションを久々に感じたので、そこが「懐かしい」ということ。
by turujun | 2010-03-28 19:30 | 演劇