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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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笑いにかけろ

 「大人買い」それは大人がその経済力にモノをいわせて、モノを一気に大量に買ってしまうこと。そしてその購買するものは、大抵「ブラックジャック」全巻とか、OH!マイキーのDVD全シリーズとか、わりと娯楽に関するものが多い。マンションとか車ではない。
 そう考えると、この舞台は、宮藤官九郎にとって、「大人買い」な舞台だ。金と人の手を宮藤官九郎の思う「面白いこと」「やってみたいこと」に費やして創られている。でも、この作品のエライところは、それが創る側の内輪受けに留まらず、観客の誰もが笑えるように創ってあるところ。さすが放送作家。「キル・ビル」からサトー無線まで、普通に生活していたらたいてい接触できてしまうレベルの情報をこれでもか、というほど笑いのフックとして料理して織り込んでいる。片桐はいりがメークと衣裳でルーシー・リュ―似になるというのは意外な発見。また、橋本じゅんが、ウーマンリブの舞台であるにもかかわらず、思う存分新感線ノリでやっていて、これまたエライ。さすが40路は違う。
 はっきり言って、この作品は、何かを伝えたいとか、ましてや評論家に誉められたいとかそういった狙いは一切無いので、演劇にそういう「良いこと」「正しいこと」を求める人にとっては時間と金浪費でしかない。でも、「笑い」に特化した舞台が観たい向きにはこれほど最適なものもないのでは。普通に生きている人にとって今一番すっきりと笑える舞台といえる。そして後には何も残らない。
 
 ウーマンリブが思った以上に長引いたことで、「ドリルパンダ」野獣会JAPAN@アトリエ春風舎に途中入場。
 野獣会JAPANは、桜美林大学の有志により結成されている団体だそう。おそらくプルヌスホールとかで今まで学内でやってきたけど、今回満を持して外に飛び出した、といったところのよう。といってもアトリエ春風舎も青年団運営だけど。中身だが、6編ぐらいのコントオムニバス。でも、どのネタの笑い所も明らかにそれぞれの素のキャラクターに依っているので、内輪受けに終始している。彼らは「やりたいこと」をやっているのだろうが、それを自分達を知らない人たちが分かる形で見せるということをしていない。自分を知らない人にいかに見せるか、伝えるかというところが、この人たちにとって重要なことであるように思った。昼のウーマンリブのことを思うと、やっぱりクドカンはプロフェッショナルなのだと実感。
 

  今年の5月ぐらいに原宿クエストでやってた「松尾スズキ物語」に大量に出ていた女の子が今回も女の子の集団の一人として参加していた。めがねをかけていたから分かったけど、他にも結構いるのかも。

 
by turujun | 2004-09-13 00:29 | 演劇