舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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今年最後の観劇は、まさかの鉄割アルバトロスケット@SuperDeluxe!
意外な会場に意外なゲスト(Contact Gonzo)ということもあり、思わず観にいってしまった。目当ては鉄割ではなく、あくまでContact Gonzo。Harajuku Performance Plusを逃したので、ぜひ観たかったのだ。

さて、お目当てはさておき、鉄割は以前観たことがある。そのときは会場が確か駅前劇場かどこか(ブログの過去記事を見れば分かるかも…)だったのだが、そのときは座席が桟敷で、入場するときに駄菓子を新聞紙で包んだものを渡されたのだ。ノリとしては、田舎の町内会のお楽しみ会的な雰囲気だ。
それが今回は会場がSuper Deluxeというおしゃれが売りなスペースなので、入場して渡されたものは駄菓子ではなくドリンクチケット。でも会場に入ると目の前にはデジャブを覚えるような町内会のお楽しみ会的舞台がしつらえてあった。都会と田舎のハイブリッドか!?駄菓子からジントニックへと手にするものは変わっても、変わらないものがあることにちょっと安堵。
そして演目はというと、こちらは大きな進化を遂げていたのだった!私の中の鉄割は、微妙な面白さがあるものもあるけど、観ているのが苦痛なぐらい面白くないものを延々とやるときもある、でも最後に「ネギで殴り合う」ともうそれだけで妙なカタルシスを得られる…というものだったが、今回は「バカ博覧会」といいたくなるようなさまざまなバカが登場するコントの数々が非常にテンポよく進んでいった。しかもそれぞれがなかなか面白いのだ。いわゆる「お笑い」のような会場全体がどっと沸くような笑いはなく、むしろ観ている人それぞれの隠されたツボをつくような笑いで、会場内のあちらこちらで「ワハハ」と局地的に笑いが起こるのだ。また、一つ一つのコントの長さと終わり方の間が絶妙。引き際があざやかなので、そこでも笑いが起こる。
すごくくだらないコントばかりなのだけど、くだらなさが洗練されているので、安心して観ていられる。はじめてみたときから相当時間がたっているが、その間にずいぶんと進化したものだ…。

さて、目当てのcontact gonzo(以下gonzo)はというと、「これを本来の彼らと思ってはいけないんだろうな…」というものだった。というのも、今回はgonzoの時間に出演していた鉄割のメンバーがとんでもなく破壊的な存在感を見せてしまっていたからなのだ。
おそらくgonzoから手渡されていたと思しき紙を手に、そこに書かれている詩を読み上げているだけなのだが、文章を噛むのは序の口で、同じような文章があると、「あれ?これ同じ文章…」と一人ごちてみたり、順番が分からなくなり紙を並べ替え始めたりと自由極まりない。そんな自由な朗読をバックにgonzoの面々は時折鼻血を流しながら平手を食らわせあったり、ボディーブローを放ったり、つかみ合い、投げ合っていた。バカとバイオレンスのハイブリッドか!?おそらくこのような異種格闘技は二度と見られないと思う。本来のgonzoの作品ではないとは思うが、これはこれで「良いものを観た」。

最後のまとめは、鉄割の出演者およびgonzoが戌井氏のやることを真似する、というものだった。戌井氏が見せる動きと言葉があまりに「バカ一直線」なので、gonzoがかなり戸惑いつつも、ちゃんと真似していた姿がちょっと痛々しくも、そこが面白くもあった。

こんなバカを極めたコントの数々が、今年の観劇納め。「バカは進化する」ということが分かったのが今年最後の収穫…のようだ。
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by turujun | 2009-12-30 23:33 | 演劇
最近、全然三軒茶屋に寄り付かない…と思っていたのに、ここへ来て「神曲 煉獄編」に続いて来てしまった。今回はこちらも久々、シアタートラム。

正直、HARAJUKU PERFORMANCE PLUSのチケットを受け取り損ねた結果、やってきたに過ぎないという至極消極的な理由で観に来たにもかかわらず、意外とみごたえがあったので、得した気分。

以前この劇団を観た時には、自分探し的なストーリー展開と、細かいギャグと随所に織り込まれるダンスがいかにも関西方面の劇団、という感じであまり好感を持たなかったが、私が東京の演劇どっぷり状態から抜け出しつつあるのか、それとも劇団の方が洗練されたのかは分からないけど、前回より作風を受け入れることができた。

内容は、ズバリ愛情が過ぎると監禁にいたるのではなかろうか?ということを主人公がそのような状態に陥ることで描いたものなのだが、作りようによっては相当痛くなる可能性大なテーマを、意外とさわやかに描いている。さわやかと書くと語弊があるのだが、要は観劇後の印象が悪くないということを言いたいのだ。
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by turujun | 2009-12-23 17:00 | 演劇
正直、今回のフェスティバル・トーキョーには回数券を買ってしまった関係で、通いに通った(といっても5回+リミニ・プロトコル)ので、もう打ち止め…と思っていたが、結局締めの一本を観てしまった。「神曲 煉獄編」。

ダンテの「神曲」といえば、誰でもその名は知っているけど、内容はよく分からない。分からないままに観たので、これが「神曲」かどうかは判断がつかない。かつ、ストーリーを説明しても、この作品そのものを語っていることにはならないと思うので(特に後半はストーリーうんぬんではないだろう)、あらすじも説明しない方向で、思ったことを記録しておきたい。


この作品で一番印象深いことは、これは「リアリティ」からは大きくかけ離れた「作り物である」ことが徹底されているというところ。それは冒頭の登場人物たちの家のキッチンとダイニングの光景を見ていて感じたこと。

実際のステージの際より少し距離を置いて作られた室内の舞台セットは、住宅展示場のようでまったく生活感がない。それは冒頭のキッチン&ダイニングやリビングだけではなく、子供部屋だとさらにはっきりする。ヨーロッパの家ならばあるかも…というビビッドな色使いの室内は、色の存在感が強く、人間はすごく小さく感じられた。
さらに、キッチンでの洗い物の音や調理の音はマイクで丁寧に拾われ、役者の台詞の声よりも大きく客席に届けられているところでも、場の不自然さが増幅される。
さらに、舞台が進んでいくと、突如舞台上に文字が投影される。舞台に紗幕がかかっていて、そこに文字が写されているのだと思うのだが、いきなりのことなので、「え?」と思わされる。これにより、作り物感がさらに増加。
その後、父親による子供の虐待シーンがあるのだが、虐待は子供の部屋で行われていることになっており、、観客の目の前にはリビングと、子供部屋につながる2階への階段が無人の状態であるのみ。物音と子供の声が聞こえることで、「虐待が行われている」ことが分かる。
で、その行為が終わり、父親が降りてくるときに洋服の乱れを直しているのをみて、この虐待行為が単なるDVではないことが伝わるようになっている。

で、そんなシーンのあと、休憩が入り後半になると、そこには丸窓が切り取られた壁がある(確か)。それは登場する子供や父親よりもずいぶんと大きい。そこに花やら草原のようなものがつぎつぎと走馬灯のように現れては消えていき、それらを子供は見つめている。窓の外に見える美しいものは、はじめは映像のように見える、よくよく見ると「実物大」つまり、舞台上に大きな花や植物の巨大オブジェがあって、それがどうやら窓の向こう側で動いているみたいであることが分かる。ここへ来て「作り物」感はクライマックスになった。そして巨大なモノが次々と提示されることで、人間の小ささはいやおうなく強調される。

そして、最後に窓からテンガロンハットをかぶった父親が窓の外からやってきて、窓を越えて子供のいるほうへとやってくる。その様子はひとときの幻想の時間を打ち破る現実の喩えなのかもしれない。

この全体を貫いている意図的な作り物感は「神の視点で世界を見れば、すべては神の創造物」ということの表れなのだろうか?などと思ったのだが、その徹底ぶりがなによりインパクトがあり、かつすべてが美しいのに、その美しさが度を越えることでグロテスク、という相反するものを一つの舞台の上に出現させた、というところも印象的だった。
とはいえ、観終わったときにはこんなことは全然考えておらず、あっけにとられてしまっていた…というのが正直なところだったりする。

余談だが、私が座った席の左隣は宮元亜門とその連れ(男性)。そして右隣は青年団の若手の役者さん。左は明らかに業界人、右はさりげなく業界人と両側を質の違う業界人に挟まれて、特異な舞台を観た一般人なのであった。
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by turujun | 2009-12-20 13:00 | 演劇
川崎アートセンターは新百合ヶ丘にある。
私の自宅は川崎の目と鼻の先にあるのに、ここはめっぽう遠い。同じ川崎でもえらい違いだ。

さて、この作品は来年上演予定(4夜連続らしいよwww)の「忠臣蔵」の公開稽古的なもの。
自慢ではないが私は全然忠臣蔵には明るくない。毎年討ち入りの日が近くなると通勤経路上に47浪士がどうのこうの…という横断幕がかかるのに、全然興味がなかったといっても良い。TVや映画であたかも日本人の常識のように繰り返し扱われているのに、全然知らない私って一体どうよ?とは思うものの、興味を持てないのは仕方がないので、今回こんなプロジェクトがあるということで、逆に興味を持って観にいってきた。

本公演は来年ということもあり、公開稽古といっても上演作品のそれではなく、「では『忠臣蔵』ってどんな話なんだっけ?」ということを皆で確認していくプロセスを見せるといった感じ。
最初に役者が「私の知っている忠臣蔵のこと」を語っていくのだが、これが私の認識と大差なく、非常に安心。話を聞いていると、演出の中野氏も詳しいわけではないようなので、さらに安心。

その後、これまでに作成された映画や歌舞伎、文楽の「忠臣蔵」の映像を見たり、「忠臣蔵」とは当事者たちの心情や経緯は抜きにして客観的に見るとどうなるかを類似する事件のニュース映像を見たりしつつ、現代の私たちの体で立ち上げる「忠臣蔵」とはどういうことか?を検証していった。

というわけで忠臣蔵自体がそれこそ「4夜連続上演」とか中野氏が言ってみたりするぐらい壮大なスケールをもつ作品なので、検証できたのは「松の廊下」までではあるのだが、中野氏の興味の方向性が面白いので、それそのものがまだ具体的なテーマがあるわけではないのに、十分に面白かった。

これは本公演も期待して良いかもしれない。4夜連続で本当にやるのであれば、泊りがけかも(川崎アートセンターに4日間も通いたくない…)。
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by turujun | 2009-12-12 15:00 | 演劇
「ついに…」私の今秋のハイライトというべき一大イベントに参加してきた。大げさにいうと、これを観られなかったら今年は終われないぐらいに思っていたので、観たというだけで実は満足だったりする。


【まだ上演中なので、観るよていのある方はこれ以降読まないことをおススメします。ネタばれがあるから。】




さて、これは、フェスティバル・トーキョーの演目の一環として上演されている作品なのだが、普通の演劇作品とは違い、会場はトラック。わざわざヨーロッパから船で運んできたという一台。通関と日本国内での走行の認可をとるのにえらい時間がかかり、F/Tが始まっても開催時期が未定だったといういわく付きの作品なのだ。

先日、チケットが取れたあまりのうれしさに珍しく感想以外のコメントをアップしてしまった。それこそツイッターにでも投稿すればよいのに、といった内容なのだが、いかんせん45名が定員、日曜日は休み(安息日だからか?)という公演なので、全期間通しても乗れるのは1000人ぐらいかな?要は帝国劇場の定員より少ない。よってチケットが争奪戦になるのは目に見えていて、実際チケットを取るのは思った以上に大変だった(でも正攻法で取りました。)

そして迎えた当日は…雨だった。車体側面がマジックミラーになっており、外が見える構造になっているとはいえ、雨なものだから水滴がついて見にくい、そして冷たい雨なものだから、車内と車外の温度が違う。すると起こるのは、ガラスの曇り。快適な観賞への2重苦があったのだ。

とはいえ、ずっと外を見るようになっているわけではなく、スクリーンが時折下りてきて映像が流れたり、マジックミラー側のフレーム部分に沿って流れる字幕が流れたりする。
映像は、運転手であるハタナカさんとアオキさん(この方は日系ブラジル人)の運転席の様子を流したり、通過する場所の近くで働いている人のインタビューを流したり…と内容はさまざま。
その一方で走るトラックと併走するママチャリがいたり、ものすごい装飾のデコトラが隣車線を走っていたりもする。
仕込みと明らかに分かるものは多いものの、「そうなのかな?」もあるので、乗っているうちに、「あれも仕込みかこれも仕込みか」と、リアルと虚構の境目が曖昧になっていくのが感じられた。
また、目の前でフォークリフト操作の実演をしているのにあわせて車内ではワルツが流れたりと、目の前で起きていることに対し別の要素を加えることで全然違う意味のものに変えてしまうようなところも面白かった。

天王洲アイルのクリスタルヨットクラブの駐車場から、横浜に向けて「貨物」となって走っていく中で分かるのは、日本の景気が非常によくないという事実。それは豊富なキャリアを持つ運転手2人の会話の中にある「景気の良かったころ」の貨物集積所や港周辺の様子の話と目の前に広がる光景のギャップでいやおうなしに
浮き彫りにされてくる。

トラックに乗って観る移動型演劇、ということで十二分にエンタテインメントでありながら、実際の社会のありようを取り込み、「今」を「作品」としてしまう。そんなリミニ・プロトコルは今回もやはり冴えていた。


今回の作品を観ていて、マイケル・ムーアをふと思い出した。事実を組み合わせて一つの作品にする、というあたりに共通点が感じられたのだ。
でも、マイケル・ムーアが一つのテーマ(答えといってもよいかも)に向かっていくためにいろいろな要素をくみ上げていくのに対し、リミニ・プロトコルは答えは用意しておらず、一つのテーマというかカテゴリの中にあるさまざまな要素をゆるいくくりでまとめていき、それをミックスして提示しているから、見た後に残るものはずいぶんと違うが。

今回は痛恨の雨の中の観賞ということで、上記のような観づらさはあったものの、やはりリミニ・プロトコルが面白いことには変わりがない。
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by turujun | 2009-12-11 15:00 | 演劇

独り言:瞬速完売?

本日は、F/Tのわたし的目玉公演「Cargo Tokyo-Yokohama」の第二期チケット予約受付日だった。
私は前半には行けないが分かっていたので、後半に勝負をかけていた。
で、本日正午になるや否や、ウェブサイトからひたすらアクセスし、何とか私が休みの日(平日)の予約を取ることに成功した。

で、現在時刻で予約ページを見たならば…全席終了。
確かにこの公演は席数も限られているし、無料だけど、(発券手数料として300円かかるけど)まさかここまで争奪戦が激しいとは、誰が思っただろうか?

とりあえず、これを観ないことには年を越せないぐらいに思っていたので、チケットゲットできて一安心。
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by turujun | 2009-12-01 22:19 | その他