舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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選挙の後は、久々の週末2日連続観劇活動。この日観にいったのは、アゴラ夏のサミットの最後の団体である「コマツ企画」。以前、王子小劇場でこの団体の作品を観て、また観たいと思っていたので、行ってきた。
開演5分前ぐらいに劇場に着くと、場内はほぼ満員!ひえ~。
案内係の人に一番後ろかつ端の席を案内されたら、手元が見えないぐらい暗い。でもアゴラは劇場の凹凸があまりないうえ、そもそもそんなに大きくないので、観る上でぜんぜんストレスを感じなかった。

さて、前回観た作品は、すごくサイコだと思ったが、今回もやはりサイコだった。

サミットディレクターの杉原邦夫とのアフタートークで、杉原氏が「前回と今回とで全然違う」といっていたが、確かに見せ方や内容は大きく違っているものの、作品の中で取り上げている人間の病的な心理とかセクシャリティとかは、前回・今回両方で大きく扱われているテーマだったこともあって、私の中では、「この劇団は、こういう作風なのか」という思いが強くなった。
前者はよくあるけど、後者を正面きってまじめに表現しようとする人は小劇場界では珍しいように思う。でも男性が女性の上に覆いかぶさって絡み付いていても、そこにぞくっとするようなエロさはなかった。ずいぶん前に見たヨーロッパから来た演出家の作品の中で、役者は日本人なのに、抱き合う姿が異様にねちっこくて「あ、エロい」と思ったことを思うと、舞台作品におけるセクシャリティの表現って結果的に表現する人ではなく、表現させる人のそこへの踏み込み具合なのかな、とか思う(※1)。

そんなサイコあり、セクシャリティありの作品で、前回と全然違うと思ったのは、その展開。作品の中で提示されるさまざまな身振りや台詞で意味深なもの(要は伏線)、最後にだいたいちゃんと明らかになるのだが、それが結構意外な方向性だったことには驚かされた。物語そのもののスリルは前回はなかったので、この点については今回は「全然違う」に同感した。

少々親切すぎるというか、ちゃんと結論をしめそうとしてしまうのと、センスがちょいベタ(※2)なのが気になるが、丁寧な演出で作られる作品の世界は見ごたえがある。

猫ホテばりのケータイ電話・ポケベル・時計のアラーム解除の前説も私は好きです。

おまけ的なもの
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by turujun | 2009-08-30 14:00 | 演劇
全体の構成や台詞の中身はまさに「平田オリザ」なのに、メッセージ性があまりないのは、原作物だからなのか…。
1991年初演で、今回で19回(確か)上演しているというだけあり、夫婦役の会話の妙が非常に楽しい。
若い女の子役の役者さんも、少々声に張りがありすぎて、空間に対して声が強すぎるようにも思ったが、なかなか良かった。
セットも舞台上にベンチがあるだけというシンプルなつくり、役者も年老いた一組の男女と若い女性だけとかなり少なく、非常にミニマルな舞台。戯曲もおそらく時代設定は昭和50年代ごろと思われる内容で、私自身ピンと来ない部分がありながらも楽しく観ることができた。

おまけ
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by turujun | 2009-08-29 19:30 | 演劇
私の中のイデビアン・クルーというと、結構大き目の劇場で公演を行う人たち…という印象だったのだが、今回はなぜかちょっと都心からちょい外れたところにあるにしすがも創造舎での公演。この会場は今年から始まったフェスティバル・トーキョーの会場としてもおなじみ。

公演が行われる場所は、これまでにも何度も足を運び、場内も分かっていたはずなのに、今回ほどここが「元・体育館」であることを実感したことはなかった。なぜならば、バスケットボールのゴールが下りていたから。なつかしいなあ…最後にあれを目にしたのは一体いつのことやら。

で、今回は会場の左右に座席が設けられて、その間に長いダイニングテーブルと座席がぽつぽつと置かれている。開演すると、メイド服に身を包んだダンサーが、そこに椅子をさらに追加していきつつ、井手茂大をはじめとするダンサーが、燕尾服やらスーツやらドレスやら着物やらに身を包み、出てくる。
場所の設定としては何らかの「晴れ」の席であることが分かり、そしてそこでは男女一組のダンサーがいろいろな人々のドラマティックな一こまを演じている一方で別のダンサーたちがそれに呼応するように群舞をしている…という構成だった。劇中ではほんのわずかにダンサーが声を出すことがあるが、基本的には無言。ピナ・バウシュの作品を「タンツテアター」と呼ぶけれど、演劇性のあるダンスという意味でこの言葉を使うなら、イデビアン・クルーの作品もタンツテアターかな、と思いながら見ていた。
あと、今回観ていてふと思ったのだけど、井手茂大の振り付けは、バレエみたいなのに、小手先で変えただけではなくて、もっと深く引用しているように思えて、見ていてすごく気持ちが良かった。(気持ちが良いのは、イデビアン・クルーのダンスは動きの量が多いのもあるかもしれず…)
また、今回の作品はある意味「昭和」テイストが前面に出ていたともいえそう。音楽しかり、衣装しかり。(音楽…昭和のムード歌謡(曲名不明)が拡声器のようなスピーカから流れてきた。衣装:80年代風の肩パッドの入ったジャケットを着た人が出てきていた)

なお、今回の公演をもって、イデビアン・クルーは活動休止だそうです。当日パンフによると「産休みたいなもの」だそうです。
うーむ。
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by turujun | 2009-08-23 19:30 | ダンス

6・7月に観たものたち

先月はとうとうブログを一回もアップせずに終わってしまった…
でも、先月もいろいろと観ていたりする。

そこで今回、6月末から今月頭(昨日)までに観たものを列挙してみる。

6月30日(火) GENERIC X (サミュエル・マチュー カンパニー)
★何となくスーデラのウェブサイトを見ていて、ピンと来て観にいった公演。無条件にダンスって面白いなー、と思わせる作品だった。女性ダンサーの独り言から始まるこの作品は、そのうちに、ダンサーそれぞれの反復性のある動きやユニゾンを見せながら、いつのまにか、舞台を余すところなく使ったダイナミックかつ緊張感あふれるパフォーマンスを展開していた。動きそのものは、いかにも「コンテンポラリーダンス」的で、デジャブを感じる瞬間も幾度となくあるのだが、それを凌駕するだけの構成の妙が感じられた。特に緊張感を生み出すためのちょっとした工夫は「おお!」と思う。
フランス人(たぶん)と日本人ダンサーのコラボレーションで作られているのだが、日本人ダンサーが動ける上に、皆良い個性を持っていて、そこにもぐっと来てしまった。
しかし、平日なのに、場内は超満員。私が知らないだけで人気のカンパニーなのか、それとも制作に集客力があるのか、ダンサーが友達100人いる人なのか。
いずれにしても、また私にダンスを観る気を起こさせた作品なのだ。
7月10日(金)プロペラ「ベニスの商人」
★私自身のシェイクスピア体験が、ベルリナー・アンサンブルとかであるせいか、今ひとつ心から面白いと思えず、「シェイクスピアって教養主義の人が好むもの」という思いを抱いていたりするのだが、これはそんな思いを払拭するほど良かった。既存の戯曲を忠実に上演しているのに、こんなにも現代的にできるものなのか、と目からうろこが落ちた。こういうのを観ると、「日本の演劇は…」と苦言を述べる人の気持ちも分かるというもの(そういうことを言う人が、この劇団を評価するかどうかは不明だけど)。

7月11日(土)劇団美鳳@篠原演芸場
★ある意味、7月のハイライトと読んで差し支えないほど、超弩級のインパクトがあった観劇体験。人生で一度は体験しておくべき(その後行くかどうかはおのおのにお任せしたい)モノだと思った。今の歌舞伎はすっかり日本を代表する伝統芸能だけど、歌舞伎が生まれたとき、そして人々の心をわしづかみにしていたころの精神はこれではないか?と思える、キワモノに足を突っ込んだ派手さとジャンルを問わず良いとこ取りをしていく雑食性に感銘を受けた(7月22日には劇団新感線の「阿修羅城の瞳」をアレンジしたものを上演したらしい…どれぐらい「アレンジ」されていたのかが、気になる…)。

7月18日(日)koyubinoart
★海外で活躍するダンサーによる小作品を上演するイベント。ずばりモダンダンス。会場となった浅草のギャラリー兼撮影スタジオがものすごく味わいのある空間だった。

7月24日(金)塩田千春+チェルフィッチュ「記憶の部屋について」@金沢21世紀美術館(PTTあり)
★場所自体が初めてだったので、まずはパフォーマンスをチラ観。役者の話す言葉の変化には気づいたものの、一体どう観たらよいのかが把握できず、また個の美術館の有名なあれやそれを見たい気持ちもあり、一時離脱。あの有名な「レアンドロのプール」とか「タレルの部屋」とか存分に見て周った後、、再度パフォーマンスを見たら、すごく面白い試みをしていることが見えてきた。
パフォーマンスの後のトークで、はじめて塩田千春さんを見た。パフォーマンスの最中に展示室にいた人で、かつ驚くほどふつう(会社勤めとかしていそう)だったので、二重の意味で驚いた。
7月26日(土)金魚「記憶の縁」@シアタートラム
★すごく良い瞬間と、そうでもない瞬間が交錯してる…と思ってみていた。安次嶺菜緒がとても良かった。

8月1日(土) 燐光群「現代能楽集 イプセン」
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by turujun | 2009-08-02 22:14 | アート