舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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菅原永二や池田鉄洋など、最近TV進出も目覚しい「猫のホテル」。その進出ぶりは、ポスト大人計画といった勢いを感じさせる。


今回の作品は、過去にすでに2回上演されている。

物語は室町時代から始まり現代に至るまでの「山城」一族の苦労の歴史を男性役者陣が、それぞれ一代ずつ演じていくというもの。

表現面で新しさや実験があるタイプの人たちではないので、見ていて刺激を受けることができるとか、新鮮に感じるものがある、新しい発見がある、というわけではないものの、役者が自分のキャラクターをしっかり把握していてそれを活かしきっていることと、そのキャラクターを存分に生かす脚本・演出は観ていて安心感がある。飛びぬけて面白いわけではないけど、はずさないという点がこの劇団の良さだと改めて認識。

ただ、やたらとキャラの濃い猫のホテルの役者が、同じ一族の人間を演じるというのは、時の流れがあるとはいえ、少々無理があるように思えた。(単に私が観ている間にこの構造を理解できなかったというものあるのだが)
また、次々と違ったキャラクターを演じなければならないためか、はたまた舞台以外の活動が増えてきたからか…役者に集中力がなく、パワー不足に感じられたのも事実。ちょっと残念。

あと、シアタートラムで4500円(前売り)という価格設定はいかがなものか。内容からしても、劇場のランクからしても高すぎる。




ところで、当日パンフレットに、「猫のホテルの面々が現在私的に絶賛放映中の「帰ってきた時効警察」に毎回出ている」とあった。ただでさえ小ネタ満載な番組に、さらなる突っ込みポイントが増えてしまった。困るなあ…。
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by turujun | 2007-04-22 14:00 | 演劇
今から遡ること15年前に日本に上陸したシルク・ドゥ・ソレイユ。

今日ようやく観た。

場所は代々木体育館の敷地内の特設会場。何となく「ジンガロ」を思い出させる会場のつくり。まあ、仮設会場というか、テントですから。

会場内は結構家族連れが多い。会場の2/3位(もっとかも)がSS席であることを考えると、子供料金があるとはいえかなりの出費と思われる。景気回復したから?それとも若い頃にシルク・ド・ソレイユにはまって、家庭を持ってからもついつい来てしまうとか?そんなことを考えながら、開演を待っていた。
 
 サーカスということで入り口の演目は、技のタイトルだけなのだが、ちゃんと作品テーマがあり、それにそって創られているとのこと。
「DRALION」のHP
それによると、東洋哲学からインスピレーションを得て、東西の文化を融合した作品といったものらしいのだが、単に東西というより、アジア・アフリカ・ヨーロッパ・南北アメリカなどなど、世界各地の芸術のエッセンスをミックスしたような内容だった。

 インターミッション30分をはさんでの2部構成。だいたい2時間半ぐらいだが、実際にはもっとみじかく感じられた。
 基本的に、メインの演目がいくつかあって、それが連続したり、クラウン役(実際には「キャラクター」という呼び方がされていた)によるつなぎを挟みつつ上演されていく。
 メインの演目は当然アクロバット。出てくるものは、TVでちょっと見たことがあるような感じなのだが、実際に作品として見ると、自分でも驚くぐらい引き込まれてしまった。なぜなら、その内容がことごとく「人間ってここまでできるのか」と思うようなことばかりだから。
  しかも「これでこのパフォーマンスは終わりだろう」と思う難易度のものの後に、「まだやれることがあるのかい!」というほど高度な技をやる。それを全ての演目でやる。演目によっては、失敗することもある。失敗したら、成功するまでやる(これはシルク・ドゥ・ソレイユの掟なんだろうか…とか思ってみていた)。再挑戦のときの演者の集中と、それが成功したときの喜び。真剣な演者の熱さが舞台の上からダイレクトに伝わってくる。だから、失敗したときは、観ているこちらまで息を飲み手に汗握り心の中でエールを送りつつ手拍子するし、成功すると、いっそう大きな拍手を送ってしまう。パフォーマンスを通じて、いつの間にか会場内が一つになっているのを感じた。普通の舞台ではまず得られない感覚だ。

 想像していた以上に面白かった。これなら誰を誘っても、がっかりさせることは無いと思う。
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by turujun | 2007-04-14 16:30 | その他
突貫工事的なデザインとボリュームなのが惜しい。あっという間に読めてしまう。しかもさらりと読めてしまう。
私が読んでいる本がたまたまそうなのか、最近のはこんなにも読み応えがないものなのだろうか。少々不安になる。

表題作は、芥川賞を受賞した作品。正直言うと、「これで芥川賞か…」と思ってしまうほど、あっさりとした読後感。つまらないとは言わないが、物足りなくはある。

作者自身、住宅設備メーカーで働いていたそうだ。表題作は、多分にフィクションだとは思うものの、その会社員時代に身についたもろもろの知識、経験が色濃く反映されているようだ。第一、商品名はともかく、品番まで出てくるって、あんまり小説にはない。だからといって具体的な知識や経験が出てくることで、作品にいっそうのリアリティが生まれているかというと、そうでもないようだが。

バブル期に社会人になり、働き続けた普通の女性の心のつぶやきを目にすることってあまりないので、そういう観点からすると、興味深い。だが、この作品は作者自身の生の声がにじみ出てくるように思える。自らの経験を材料に、もっと違った形の「物語」を生み出して欲しいと思うのは私だけなのだろうか?
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by turujun | 2007-04-11 22:00 |
何かの本で、自分の仕事には、映画を見たり、舞台を観たり、小説を読んだりすることが大切だぁ!と書いてあり、前者2つはすでにOKなので小説を意識的に読むことを決意。
以前本屋で見かけたこの本を図書館で見つけたので、読んでみた。

途中で中断しながらではあるものの、2時間ぐらいで読み終わったように思う。かなりさらりと読める文章とボリューム。季節ごとの空気感とか情景の描写が、「何となく分かる」感にあふれていて、かつみずみずしくて読んでいてぐっときた。



読み終わったとき、頭の中に松田聖子の「制服」が流れた。
そういう類の切なさがあった。あと若さゆえの狂気も(これは「制服」にはありません)。

といっても、この小説のような体験がこの時期にほぼ無かった私(寂しいことをいうようですが事実…)としては、没入は全くできない。でも「創られた世界の話」として非常に引き込まれて読んだ。

ただ、
この作品の最後の方で、時が流れて、主人公は就職し、友人や後輩とも疎遠になっていく
くだりについては、私自身の体験とも重なるので(これまた寂しいことをいう…)妙に共感
したりして。

そして、登場人物が皆若い。年上の「葉山先生」でさえ、現在の私より年下という設定。
素直に「切ねーーー!!!!」ってなれないのはこのあたりが理由かと思われ。これは
作者が若い(たぶん今24歳くらい?)からだろう。
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by turujun | 2007-04-09 21:14 | その他
今週来週あたりは大物小物を含めて観たい舞台が結構ある。だがしかし平日はたいていNGなので休日しか観劇できず、当然見逃すものも出てくるわけで…。優先順位付けと取捨選択がまたなかなか難しい…。


そんな中、今日は「別れの唄」を観た。
この作品は、「ティヨンヴィル=ロレーヌ国立演劇センターの依頼で、フランス人が上演することを前提に、フランス人演出家のために書き下ろされた作品」(当日パンフレットより)だそう。

実際、登場するのは、日本人3人を除いてフランス人ばかり。話される言葉も主にフランス語。


なんでこういうことになるかというと、物語の設定が、「日本人と結婚したフランス人女性がガンで亡くなり、その葬式のために女性の家族が日本にやってきている」というものだからだ。
今週の「L25」によると、婚姻数は20%も減っているのに、国際結婚は40年前に比べ10倍になっているそう。今後、こういうシチュエーションはありえないものではなくなるのだろうなあ、ということである意味近未来的な作品といえそう。


この作品は、タイトルから想像される湿っぽさはない。どちらかというと(まあ平田オリザですから)淡々としたものだが、随所で「ぶはっ」と笑わずにはいられなくなる。でも、コメディではない。笑えるエピソードの数々は、日本人とフランス人の文化の違いから起こるもののように客観的に観て笑ってしまうものから、身につまされて苦笑してしまうものまでさまざまだ。亡き人を弔いに来ながら、心に悲しみを宿していながらもその瞬間に生きていることで起こるさまざまな心の揺れ動きを淡々と汲み取って、戯曲にしていく平田オリザの観察力と描写力はやはりすごい。
 


舞台美術も結構面白い感じだった。
昔風の和室(襖を外せば大広間になるような)に食卓と座布団が置かれている、というセットなのだが、舞台奥側が鏡貼りになっており、さながらフューチャリスティックな小津安二郎ワールドといったところか。
(今の東京にあんな大広間が出現するような日本家屋があるともそうそう思えないのだが、まあそれはそれ)
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by turujun | 2007-04-07 19:00 | 演劇
何かで誰か(某書店の小説通の店員さんだったかと)がこの小説を「良い!」と言っていたので、読んでみた。

ジャンルとしては、「ハードボイルド」で「ミステリー」。

ベトナム戦争に軍曹として従軍していた過去を持ち、現在はタクシードライバーとして働く男が主人公の物語。

あらすじはこちらでざっくりとご確認いただきたく。


この作品、文庫本で読んだのだが、長い。思った以上に長い。読んでも読んで終わらない。4/5ぐらいまで読んでようやく内容のうえでもクライマックス感が出てくる。
 作品の半ば過ぎても新たな登場人物がどんどん出てくる。しかも出てきてすぐに物語のなかから去ってしまう、エピソードを作るためだけに押し込まれてきたかのようなキャラクターもいて、これはミステリーとしてありなんだろうか、と少々疑問に感じた(私があまりミステリーを読まないからかもしれないが…)。

ミステリーとしてはどうなのかは私は分からない。が、サイドストーリーの「父子の愛を書いている小説」という面は個人的には好きだ。不器用ながらも、父としての愛を持って子に接する主人公、そして彼が育ての父との間に溝のある少年に対し「父子の愛」を解く場面には、ぐっと来てしまった。

また、作品中に時々差し込まれてくる暴力シーンの描写は結構生々しく、私は「こりゃヤバい」と思い、その周辺は熟読しないようにしていた。
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by turujun | 2007-04-01 20:31 | その他