舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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カテゴリ:アート( 33 )

開催場所が自宅から近いということで、はじめて詩のボクシングに触れてみることにした。

映画を見終えてから会場に向かったので、到着したときにはすでに「試合」は2回戦目まで進んでいた。

詩のボクシングとは、その名のとおり2名の「選手」がリング上でそれぞれ自作の詩を朗読し、それをジャッジが判定するというもの。参加者は若い人が多いのかと思ったが、たぶんアラサー以上がほとんどっぽい。そしてわざわざ東京に出てきてまで参加している人が少なからずいた。

さて、詩をざっと聞いていて思ったのは、
-男性は生き死に、女性は恋にまつわる内容が多く、そういうものを読んだ人が勝つ傾向にある。
-言葉としての美しさより、強度のある表現ができている方が勝つみたい。
-詩そのものの完成度というよりは、ドキュメンタリーというか、自分自身の体験そのものが前面に出ている方が勝つようだ。
-そして、詩の内容と、読み手の個性(読む調子)がひとつになっていればいるほど勝っているっぽい。
-何より、自分を何もかも、その人らしくさらけだした人が勝つのだろう
ということ。

私の「詩」体験なんて学生時代の国語の授業で触れたものに毛が生えたぐらいなので、この試合に参加している人たちの「詩」を聞いていて、「これって作文じゃないの?」と思ってしまった。聞いているうちに、「詩」と言ってしまえばなんでも「詩」になるのかな?と思ってしまったぐらい、インパクトのある体験だった。

優勝した人は、その人自身の過去そして現在の体験のすさまじさもさることながら、それらを清濁併せ呑んで詩にしているところと、それを表現するにあたり、ただ自分をさらけだすのではなく、きちんと演出していたところが他の人と大きく違うところで、そこが優勝に値した(といっても全国大会がこれからある)のだろう。
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by turujun | 2009-10-04 16:00 | アート

6・7月に観たものたち

先月はとうとうブログを一回もアップせずに終わってしまった…
でも、先月もいろいろと観ていたりする。

そこで今回、6月末から今月頭(昨日)までに観たものを列挙してみる。

6月30日(火) GENERIC X (サミュエル・マチュー カンパニー)
★何となくスーデラのウェブサイトを見ていて、ピンと来て観にいった公演。無条件にダンスって面白いなー、と思わせる作品だった。女性ダンサーの独り言から始まるこの作品は、そのうちに、ダンサーそれぞれの反復性のある動きやユニゾンを見せながら、いつのまにか、舞台を余すところなく使ったダイナミックかつ緊張感あふれるパフォーマンスを展開していた。動きそのものは、いかにも「コンテンポラリーダンス」的で、デジャブを感じる瞬間も幾度となくあるのだが、それを凌駕するだけの構成の妙が感じられた。特に緊張感を生み出すためのちょっとした工夫は「おお!」と思う。
フランス人(たぶん)と日本人ダンサーのコラボレーションで作られているのだが、日本人ダンサーが動ける上に、皆良い個性を持っていて、そこにもぐっと来てしまった。
しかし、平日なのに、場内は超満員。私が知らないだけで人気のカンパニーなのか、それとも制作に集客力があるのか、ダンサーが友達100人いる人なのか。
いずれにしても、また私にダンスを観る気を起こさせた作品なのだ。
7月10日(金)プロペラ「ベニスの商人」
★私自身のシェイクスピア体験が、ベルリナー・アンサンブルとかであるせいか、今ひとつ心から面白いと思えず、「シェイクスピアって教養主義の人が好むもの」という思いを抱いていたりするのだが、これはそんな思いを払拭するほど良かった。既存の戯曲を忠実に上演しているのに、こんなにも現代的にできるものなのか、と目からうろこが落ちた。こういうのを観ると、「日本の演劇は…」と苦言を述べる人の気持ちも分かるというもの(そういうことを言う人が、この劇団を評価するかどうかは不明だけど)。

7月11日(土)劇団美鳳@篠原演芸場
★ある意味、7月のハイライトと読んで差し支えないほど、超弩級のインパクトがあった観劇体験。人生で一度は体験しておくべき(その後行くかどうかはおのおのにお任せしたい)モノだと思った。今の歌舞伎はすっかり日本を代表する伝統芸能だけど、歌舞伎が生まれたとき、そして人々の心をわしづかみにしていたころの精神はこれではないか?と思える、キワモノに足を突っ込んだ派手さとジャンルを問わず良いとこ取りをしていく雑食性に感銘を受けた(7月22日には劇団新感線の「阿修羅城の瞳」をアレンジしたものを上演したらしい…どれぐらい「アレンジ」されていたのかが、気になる…)。

7月18日(日)koyubinoart
★海外で活躍するダンサーによる小作品を上演するイベント。ずばりモダンダンス。会場となった浅草のギャラリー兼撮影スタジオがものすごく味わいのある空間だった。

7月24日(金)塩田千春+チェルフィッチュ「記憶の部屋について」@金沢21世紀美術館(PTTあり)
★場所自体が初めてだったので、まずはパフォーマンスをチラ観。役者の話す言葉の変化には気づいたものの、一体どう観たらよいのかが把握できず、また個の美術館の有名なあれやそれを見たい気持ちもあり、一時離脱。あの有名な「レアンドロのプール」とか「タレルの部屋」とか存分に見て周った後、、再度パフォーマンスを見たら、すごく面白い試みをしていることが見えてきた。
パフォーマンスの後のトークで、はじめて塩田千春さんを見た。パフォーマンスの最中に展示室にいた人で、かつ驚くほどふつう(会社勤めとかしていそう)だったので、二重の意味で驚いた。
7月26日(土)金魚「記憶の縁」@シアタートラム
★すごく良い瞬間と、そうでもない瞬間が交錯してる…と思ってみていた。安次嶺菜緒がとても良かった。

8月1日(土) 燐光群「現代能楽集 イプセン」
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by turujun | 2009-08-02 22:14 | アート
駒場アゴラ劇場から渋谷へと向かう道の途中で脇道に入るとある松涛美術館。サンプル鑑賞後にふらりと立ち寄ったら、入り口に貼ってあるポスターに私の好きな仙厓の絵らしきものを発見。これは是非見なくては!と思ったものの、閉館30分前だったので、次の日に持ち越し。
翌日、会期最終日に滑り込んでみた。

「素朴美」というだけあり、展示されている作品はかならずしも有名な作家の作品だけではなく、素人の手によるものもあり(でも室町時代作ということで、大変古いもの)、かなりバラエティに富んでいた。

私のお目当ての仙厓は3点ほどとかなり少なかったものの、再会できただけで満足。また、昭和の禅僧・南天棒の禅画もなかなか面白い。

展示を「素朴」という観点で選んでいるものの、その中身はそれでは済まされないバラエティに富んだもので、かなり面白かった。

今回、初めて松涛美術館に足を踏み入れたわけだが、館内のあちこちに昭和を感じさせるディテールがある。外観からすると意外なまでに昭和なので、そのギャップがまた面白かった。
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by turujun | 2009-01-31 23:30 | アート
今回の横浜トリエンナーレは1枚のチケットが2日間有効。
明日までが会期ということで、昼間に先日観ていなかった赤レンガ倉庫を中心に見てきた。

赤レンガ倉庫では、展示はそんなに多くなかったのだけど、昔のパフォーマンス記録映像の上映をやっており、その中に土方巽の映像があり、ダンス好きとしては見逃せない!とベンチを陣取り見たところ…今よく巷で観られる暗黒舞踏というものとは全く違うものだった。
だいいち、モノクロ映像なので実際のところは分からないが、白塗りじゃない!また御輿に乗って舞台へ登場したり、その御輿には天蓋というかおかずのホコリよけのようなものがぶら下がっていたり、舞台上に大きな鏡のようなものが三枚ぐらい並んでいてそれがパタパタと動いて光を反射させていたりと、今のダンスではあまり見ないような、大仕掛けな舞台美術であることに驚かされた。
これまで「舞踏」というのは身体ありきだとしているのだとばかり思っていたが、この映像だけを見る限りでは、身体も大事だけど、舞台美術も同じぐらい大事にしているようだ。
しかし、一番驚いたことといえば、性的表現の過剰さだったりする。ロングドレスの下にペニスケースをつけていて、ドレスを脱いだ状態で腰を前後に振ったり、しまいには手足を縛られて吊り上げられ、舞台袖にはけていったりして、なんだか昔のモラルの厳しさからしたら、相当に大変なことをやっていたんじゃないだろうか。それでいて痙攣したり、ぎこちなく歩いたり、結んでいた髪の毛を下ろしてうっとりともてあそんだりとグロテスクさとエロティックさが同居したような動きが展開されるのだから、かなり見づらい映像でありながらも、そこから伝わってくるものはとても濃厚。これをリアルタイムで見た当時の人達にとってはたいそうショッキングだっただろうと思う。あと、これが「日本青年館」で上演されていたというのは、今を生きる私にとって、また意外な感じ。

他にもいろいろあったのだけど、昔のパフォーマンスの映像は、何をとっかかりにして見たら良いのかよく分からないために、何となくピンと来なかったのが正直な感想。そのピンと来なさこそがテーマであるところの「Time Crevasse」だと言うのであれば、そこはまったくその通りなので、腑に落ちるけど。

さて、ダンスつながりという意味でいうと、今日はみなとみらいにある「リングドーム」にて行われたモモンガコンプレックスのパフォーマンスも観たのだ。これもトリエンナーレのイベントの一環ながら、観覧無料。17時~ということで、始まる前にリングドーム周りに行ったら、ビニールシートを渡されたので、それに座って観賞。
リングドームは白いフラフープみたいな輪を組み合わせて作られたドームで、ダンスはリングとリングのスキマから覗き込むような形で観る。だから上演前の仕込みも丸見え。
パフォーマンス自体は15分と、ビニールシートがあるとはいえ、夕方に地面に座っている身にはちょうど良い長さ。
個性的なダンサー4人による可愛らしさ少なめ、自己主張多めのコミカルなダンス。ダンサーの衣装が思いっきり部屋着だったり、場末のスナックのママ風だったり、なぜかボディボーダーだったりと完全にばらばらだった時点でそのダンスがバカ系であることを約束していたが、期待に違わぬバカっぽさだった(ほめ言葉)。使われている音楽が横浜しばりなところにサービス精神を感じた。

2日かけてトリエンナーレを見てみたが(1日目はこちら!)イベントまでフォローしようと思ったら、2日でもとても足りないというのが正直なところ。第2回のトリエンナーレのようにパスポートを用意したらよかったのでは?と思わないでもない(収益の関係か?)。
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by turujun | 2008-11-29 23:14 | アート
もうすぐ会期終了の横浜トリエンナーレ。都合がつかず、ようやく足を運べるように。

今回は会場がいくつもに分かれている。三渓園を除けば、それぞれの会場はシャトルバスが出ているし、何よりちょっと頑張れば歩いて回ることだってできる。特に22日のように天気が良いと、もう最高の散策。
しかし、ぜひ気をつけたいのが三渓園。地図で確認すると分かるが、ここの所在地は本牧。バスで行かなければならないけど、会期中は(土日祝日は特に)バスがすごく混んで、現地到着までに下手すると1時間近くかかることも。また、三渓園自体も結構広い庭園で、なかなか見どころたっぷりな場所だから、この機会にじっくり見ておくと良いと思う。今の時期は紅葉もきれいだし、菊の展示もあって、そういう意味では和とコンテンポラリーアートという稀有なコラボが実現。こんなことはおそらく今後あるかどうか分からないので、トリエンナーレの作品だけを見てさっさと横浜方面へ帰るできれば1日三渓園をメインとして回る日を設けるのがベターかと。


前回のトリエンナーレの、ある意味勢い任せな祝祭感や熱さは今回はなく、むしろすごく手堅く運営されているように思える。すごく優等生的といえば聞こえは良いのだけど、淡々と物事が進められていて、ちょっと寂しい。
その一方で、今回は「パフォーマンス」をフィーチャーしているらしく、その旨会場にも掲示があるのだが、逆にとればそれは「パフォーマンス」をしていないときにいくと、本当に物質として存在している作品しか見られず、ちょっと拍子抜けしてしまう。これから見に行く人で、心底楽しみたいと思っているのであれば、事前調査が欠かせないことをお知らせしたい。

また、今回はフラッシュ撮影・動画撮影をしなければほぼ場内の作品の撮影OKなので、カメラ好きな方は必携。アート作品を撮り放題というまたとないチャンス。
私も会社で「一眼デジカメに慣れよ」との指令を受けていることを良いことに、備品のカメラ持参で行ってきましたので、画像をPCに取り込んだらここでアップいたしまする。

※横浜トリエンナーレ観賞記その2はこちらから
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by turujun | 2008-11-23 12:49 | アート
特に何も見る予定のない日曜日。
そういえば、日本橋で茶箱の展覧会やっていたな~なんて軽い気持ちで出かけてみたならば、会期が6月29日まで。7月までやっているものだとばかり思っていただけに、びっくりして思わず入館。

閉館まで1時間弱、ということでかなり駆け足での鑑賞になってしまった…。

今回の展示は、企画展のものは全て三井家からの寄贈のものということ。
時代によって展示室を変えて展示されていたのだが、その一つ一つの部屋に展示されている道具類の芸の細かいこと、贅沢なこと。
道具なんて一つ揃っていれば良さそうなものなのに、違う組み合わせの道具の茶箱をいくつもつくってみたり、一つの籠の中に、一つの種類の道具が2つ三つ入っていて、そのときどきで使い分けられるになっていたり。箱を作っている素材が薬師寺の古材であったり、箱の装飾として自分が使っている櫛を使ってみたりとその茶箱・茶籠を作った人の趣味や趣向が感じられる。
箱に入れて持ち運ぶだけに、道具類は全て普通のものに比べて小ぶりのカワイイサイズ。こうしてみると大人のおままごと道具のようだった。
個人的にツボだったのは、伝・雪舟という掛け軸。茶箱用の掛け軸は幅が普通のものの1/3~1/4ぐらいとこれまたサイズが小さいのだが、サイズ以外の部分は普通の掛け軸と同じように仕立てられているところが面白い。
また、茶箱にコンロが入っていたり、野点用の風炉があったりと、旅行中でもきちんとした道具でお手前ができるようになっているのもスゴイ。

お茶の道具でよくいわれる格付の対象にはならないものではあると思うが、これだけの数のものを一同に集めて展示、しかもその出自が全てとある一族のものだと思うと、昔の豪商そして財閥の経済力の凄さを認識させられる…。
展覧会のタイトル「数寄の玉手箱」、まさにその通り。
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by turujun | 2008-06-28 15:30 | アート
toi presents 3rd「あゆみ」@駒場アゴラ劇場を観るために、東急文化村前を通りがかって、ふと目に入ったこの展覧会。

時間には余裕があったので、ちょっと見てみようと思って立ち寄った。

細川真希を調べてみたら、GEISAI♯6での銅賞受賞を皮切りに、グループ展、個展で作品を発表、昨年の東京アートフェアでは出展作品が完売したという新進気鋭の画家のよう。

作品の一番の特長はなんといっても、細い貧弱そうな首に支えられたタテに見開いた目と開き気味の瞳孔を備えた大きな顔。アニメやマンガの中のキャラクターのようにかわいらしくデフォルメされたこの顔は彼女の自画像なのだそう。それが、日本や西洋のの名画の中に登場する人物のそれと入れ替わっている絵が何枚も飾られている。

正直なところ、自分自身が名画の中に登場したり、絵がアニメっぽかったりという特徴がはじめに目に付き、その特長部分だけ取り上げるとオリジナリティがある、とはいいづらいな…と思ってみていた。特に、「モナリザ」「最期の晩餐」フェルメールの「青いターバンの女」といった西洋の絵をモチーフにしたものは、どうしてこれをつくったのか?そうすることの意味って何なのだろう?というあたりが、見ていても今ひとつ自分の中に沸いてこなくて、ちょっと表現しがたい気分になった。

ただ、これも売約済のものなのだけど、彼女の絵が描かれた小さな紙をつなぎ合わせてつくったドレスは、絵の可愛らしさとドレスの形の可愛らしさのW乙女感とそこから溢れるもろさと繊細さにすごく惹かれた。

なお、この展覧会の絵は、このブログによると、ほとんどが初日完売だったらしい。

見た限り、確かにアートとしては一点モノであることを考えると決して高くはないかもしれないが、それでも小さいものでも20万、大きいものであれば50万円を上回るので、決して安いお買い物ではない。
にも関わらず、初日に「これ買うわ」と買える決断力と経済力。どっちもうらやましい。

とりあえずこれだけはいえる、ということ。わたしは絵に関しては、新しいアーティストの作品を見る感受性が足りないみたい。

【余談】こちらのブログに、私がいいなーと思ったドレスのオブジェの画像を含め、作品の画像がたくさん載っています。
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by turujun | 2008-06-24 18:00 | アート
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先日行った献血ルームで、献血後に出会った「バガボンド」。うっかり読み出したら結局そこにあった20巻全て読みきってしまった。献血自体は上手くいかず、途中で断念したくせに、何ともずうずうしい客と自覚しつつも…面白いんだもーん。その後も折を見て続きを読み、最新刊26巻まで全て読破。
私はマンガを読むのは早く、通学・通勤に時間がかかるようになった20代以降はすっかりご無沙汰していたので、マンガにはまるのは本当に久しぶり。

そんなわけで、興味があった「最後のマンガ展」。某ブログで「平日は当日券ですぐに入れる」云々とあったので今日行ってみたのだが、とんでもない。入場制限していた。入場するまで30分待ち。ひええ。
今週発売のBRUTUSで特集されたからなのか、それとも「SLAM DUNK」「バガボンド」人気がすさまじいのか。どちらにしても、驚き。

客層は、というとだいたい20代前半~30代と、「SLAM DUNK」をリアルタイムに青春時代に楽しんだ世代がほとんどの様子。つまり普通の美術館の展覧会に比べると非常に年齢層は低い。見た感じ、いわゆるアート大好き!という感じの人はほとんどいない。また「マンガ」とはいえマンガオタクという感じの人もほとんどいない。つまり、アート系でもなければマンガオタクでもない人達がメインであったように思う。

「最後のマンガ展」と銘打っている通り、展示されているのは全館を通してマンガ。展示自体が一つのストーリーをなしており、順路に沿って歩きながらその絵を見るとともに、マンガを読んでいくという構成だ。
だからといって単なる原画展ではないところがこの展覧会の面白いところ。展示全てが一つの作品であると同時に、絵が書かれている紙の材質を変えてみたり、絵を描く道具がペンであったり筆であったり、紙そのものの形が違ったり、サイズが違ったりと一つ一つの絵がまた作品として独立して存在してもいる。
また、高さを変えてあったり、照明の色味が微妙に違っていたり、展示室の床半分に砂が敷き詰められていたりと展示の仕方にも工夫されている。

展示されていたものが今回の展覧会用に描きおろされているとはいえ、印刷した状態のものでは知りえることのない、生々しいタッチやダイナミックな筆致を間近に見ることができる。

観ている間、ただひたすらに「井上雄彦って絵が上手い」ということに驚かされ続けたこの展覧会だが、特に前半部分に展示されている霊験洞(だったと思う。うろ覚え)にいる宮本武蔵のシルエットが描かれたものは、その霊験洞の暗さと、その中に浮かび上がる宮本武蔵の影が見事に書き分けられていて目を瞠った。

ストーリーの面では、「バガボンド」のエピローグ的な内容なので、今出ているところまで全て読んでおくと、グッとくるけど、そうでないと全くといっていいほど意味をなさないと思われ。(実際、井上雄彦氏もバガボンドを読んでから見ることをすすめているらしい)

個人的には、一度全体を見てから、もう一度他のお客さんと監視員の目をかいくぐって最初から見直してみることをおススメする。

a0001606_22145618.jpg展覧会の常として、展示室を出るとそこは物販スペース。いろいろ売っていることは売っているが私が一番欲しかったのはこのスタッフTシャツ。スタッフの人、いいなー。
(この画像は、入場町の列で私の前にいた人がスタッフに声をかけてくれたおかげで撮ることができたもの。どなたかは存じませんが、便乗させていただきました。ありがとうございます。)






【余談】
チケットぴあで購入したチケットは入場する際に、当日券と同じデザインのチケット(井上雄彦氏による武蔵のシルエットがど真ん中に描かれたもの)
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に引き換えてもらえます。
私の後ろに並んでいた人が「チケぴで買ったやつより当日券の方がいい!!」と叫んでいたので、同じ心配をされている方がいるやもと思い、ご参考まで。

こういうことってあまりないと思うのですが、チケぴの味気ないチケットより、デザインがキレイなものの方がお客さんとしては嬉しい。他のアートの展覧会や舞台でも、こういうサービスをすると、すごく受けると思う。

チケットだけではなく、入場前・入場後のエリアに設けたQRコードで携帯から情報を取れるようにしたり、感想が送れるようにしたりと退屈させない仕掛けがされていた。
ものすごいサービス精神。
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by turujun | 2008-06-18 22:52 | アート
CHANELが主催し、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、ロシアの主要都市を2年間かけて巡回する、大規模なアート・プロジェクトである「Mobile Art」。
現在、国立代々木競技場に巨大なコンテナが設置され、そこで開催されている。つまり、この展示会は、このコンテナごと移動して世界中をまわる、ゆえに「Mobile」。

カルティエやプラダ、エルメスなどなど、ヨーロッパのハイブランドは、自分達で財団を運営してアーティストをサポートしたり、コレクションを所有し、それを公開するといったことに積極的に取り組んでいるが、今回のこのイベントは、他のブランドのアートへのかかわりとはそのコンセプトやスケールが異なっているようだ。

この展示を見るには事前または現地での予約が必要。入場は何と無料。
ただし1回に最大40人までしか入れないようになっている。


ハイブランドのパワーの経済的なパワーと、アートへの関わりのありようを考えさせる展示だった。

村上隆が自らのアートをブランド化する云々という話を彼の著作である「芸術企業論」でも読み、最近出た小山登美夫:著「現代アートビジネス」でも読んだけど、これはすでにファッション「ブランド」として確立されているシャネルが、そのブランドを利用してアートにコミットする試み、つまり村上隆がやろうとしていることに逆方向から切り込んでいるように思えなくもない。


【余談】
この展示は、装着しているMP3プレーヤーから流れる音声にしたがって展示を見ていく。そのナレーターは仏・英バージョンはジャンヌ・モロー。だが日本語バージョンは誰によるものなのかは不明。私は今回日本語バージョンを選んだのだが、これがまるっきりの棒読みなものだからすっかり興ざめしてしまった。
平日であればキャンセル待ちで入れそうなので、ジャンヌ・モローのナレーションを聞くために行くというのもありかもしれず。
【余談2】
この棒読みのナレーターは、オノ・ヨーコらしいです。だから棒読みなのか、それともわざとなのか…。
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by turujun | 2008-06-08 12:23 | アート
新宿のチケットショップで入場券が安く売られていたので、行ってみた。

アートとエコと農業がコラボしたような展示。詳しくは後ほど。

なかなか興味深い。

※今日現在では、屋上のハーブ畑はまだ未公開。屋上の公開は6月17日ということなので、観にいくのはそれ以降が良いと思った私。
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by turujun | 2008-06-07 23:48 | アート