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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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田中克彦「ことばと国家」(岩波新書)

「日本語が亡びるとき」という剣呑なタイトルの本がインターネット上で話題になっていて、それで興味を持っていた(この本自体はまだ読んでない。)が、この件についていろいろなブログを見ていたら出てきた本がこれ。図書館の蔵書を検索したら、首尾よくすぐ借りられるようなので、借りて読んだ。
新書ということで、軽いタッチなのかと思いきや、いきなり「母語」と「母国語」の違いの定義の話からはじまり、言葉が生み出す差別、言葉の強制による国家の支配などなど、これまで考えたこともないような、いつも使っている「言葉」と「国」との関係が語られている。

あまりに考えたことがない話であっただけに、スッと理解できるようなものではないのだが、その一方でこの本の中で語られる、さまざまな事例から分かる差別・支配の歴史の残酷さに一瞬頭がくらっとしてしまった。

新書なのに、さらりと読めない。そんな感想で2008年最後の投稿とします。では、また来年もよろしくお願いいたします。
by turujun | 2008-12-30 22:12 | 書物