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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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青年団リンク青☆組「うちのだりあの咲いた日に」

今週末は青年団つながりな公演を連荘で観た。土曜日はこまばアゴラ劇場にて青☆組。

その存在は知ってはいたものの、実際に観るのは今回がはじめて。

劇場内に入ると、ずいぶんと座席数が少ない印象。最近のアゴラの公演ではありえないぐらい立派な、縁側のある日本家屋と思しき舞台セットが設けられている。

この作品は作・演出の吉田小夏の処女作で、普段はばらばらに暮らしている兄弟や近所の人が、愛犬の7回忌に実家に集まり、そこでイロイロ起こるという群像劇。

すごく印象的なことがあるとすれば、それはやはり戯曲。これが処女作なんだ…と思うぐらい各登場人物のキャラクター設定がしっかりとされていて、それぞれのエピソードも魅力的。別にどうってことがないようなアイテムが思いがけない理由で登場してくるといった、絶妙な仕掛けが随所に出てくる。しかもそれが突出するというよりさりげないというのが個人的に響いてきた。

ただ、ペット特化のお坊さんとそのお付の人々は、他の部分と比べるとあまりにコミカルすぎて、どうなんだろう?と思ってしまった。

安心して観られること自体は評価できることだと思うのだが、その一方で、釈然としないものが胸の中に行きかっていたのも事実。
それは一体何なのかな…と考えてみたら、賞を取っているだけあるクオリティの戯曲に対して、丁寧できめ細かではあるものの、きれいにまとまりすぎている演出にあるのではないかというところに思い当たった。
何で吉田小夏は他にもいろいろある表現ではなく「演劇」で表現するのだろう?演劇に対してどう向き合っているんだろう?というのがよく分からない。
他の「静かな演劇」と評される劇団との違いがあまり見えてこないというところが、心の中のモヤッと感につながっているのだろう。(私の中では以前みたONEOR8の「ゼブラ」との近似が気になっている。たとえばどちらも登場人物が姉妹であるとか、その姉妹の関係の描き方がダブって見えた)
by turujun | 2008-04-12 15:00 | 演劇