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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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茶碗の美 国宝曜変天目と名物茶碗@静嘉堂文庫美術館

茶道を習い始めて半年ちょっと。宗匠いわく「お茶は雑学。何でも見て学びはれ」とのことなので、まずは茶の湯関係の美術品に触れるようにしている。

この展覧会の最大の見物はタイトルにもある国宝「曜変天目」。7~800年前に作られたとされる天目茶碗で、世界中でここを含め3点しかないという運命の一品。
これが、展示室に入るなり独立した展示ケースの中にぽつんと入っていた。そのため、四方から茶碗を見ることができる。
ポスターや雑誌の写真だと、水溜りにこぼれたガソリンが太陽の光を受けて光るときのような色味のように見えたが、実際にはもっとさっぱりとした印象を受けるものだった。ケース内の照明の妙なのだろうか??(上のリンクの先に静嘉堂文庫美術館のHPの写真があるが、これはちょっと白っぽすぎ。実物はもっと瑠璃色の発色と輝きが瑞々しい。)
私はこの茶碗はグロテスクなものなのかと思っていたがとんでもない。小ぶりなサイズもあってか想像以上に清楚な輝きを放つ茶碗だった。何も知らないでこの茶碗を見たとしても、誰にも受け入れられる美しさだと思う。

模様のついている茶碗の内側はもちろんだが、外側の釉薬のたっぷりとついた感じもいい感じ。実際に手にとってどんな感触がするのか、普通の光の中ではどんな色に輝くのかなどなど見てみたいと思わずにはいられない。

だが、曜変天目茶碗というもの自体が世界中探しても日本にしかないというものなので、私のようなド素人が手にすることができる日はさすがに来なさそうだ。(時価16億円ぐらいするらしい…)

美術館の説明によると大正時代に岩崎小弥太逝去後に霊前に茶が供えられたときが、最後の使用だったそう。確かにこれでお茶をたてて飲むというのは恐れ多い…。

というわけでこの展示はとにもかくにもこの曜変天目なわけで、それ以外のものはそれぞれに個性があり見ていて面白いのだが、何がこの展覧会で一番印象に残ったかと聞かれれば、即座に曜変天目と答える。
by turujun | 2008-02-23 22:22 | アート