舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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寺田みさこ「愛音」@シアタートラム

16時からと、えらい半端な時間に始まる公演であった。

この作品は、全編を通して、言葉に出して説明をすると「かなりきわどい内容だったのだなあ」と思われること間違いなしな動きに満ちていたのだけど、欲情を誘うようなニュアンスではなく、むしろ欲を除去して形と動きだけを残しているような印象を受けた。動きやフォルムそのものと、そこから読み取れる意味の間で揺さぶられてしまう作品だった。


ただし、私が一番上演中に気になっていたのは、舞台の天井からつられていた3つの蛍光灯のようなもの。それは作品が進むにつれ、照明ではなく、「泡製造機」であることが判明する。
はじめ、この装置のひとつから「ぺちゃっ、ぺちゃっ」という音がしてくる。一体それが何であるのかは分からない。そのうち、別の装置から、白い物体がふんわりと舞い落ちてくる。それは着地するときに音がせず、また白くはらはらと落ちて来るので、はじめは「紙ふぶき」かと思っていたのだが、その物体が舞台上に溜まるにつれ、ほのかに出会ったことのある香りが漂い、それがどうやら「石鹸」による泡であることがわかってくる、というわけ。
その泡の落ちてくるスピードが、コントロールされているような、いないような微妙なところであることから、いつしか私はダンスよりも「泡が落ちてくるのかこないのか、落ちてくるならどれぐらいの量が落ちてくるのか、どんな形で落ちてくるのか…」と泡に釘付けに。
作品の一連の流れの中にあるダンスよりも、いつコントロールの支配下から転げ落ちるか分からない泡の危うさの方に心を奪われていたのであった…。


シアタートラムでの独舞を見たのは、近藤良平以来だが、近藤良平のときのセットといい、今回の仕掛けといい、シアタートラム規模の劇場だと、身一つで空間を使い切るのはどうやら難しいみたいだ。
以前、機会があってシアタートラムの舞台上に上がったことがあるけど結構広かったからねぇ、なんてことを思いだした。
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by turujun | 2007-06-03 16:00 | ダンス