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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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映画って本当にいいものですね

…と言えるほど、映画を見ているわけでもなし、好きかといわれるとそうでもないのだが。

 でも、今日は映画の日ということで、今日から無職であるにもかかわらず、映画を見に行った。まあ、1000円だから、懐に気をつかったといえば使っているのだが。
 
 今日見たのは「クラッシュ」。アカデミー賞にもいくつかの部門でノミネートされているらしい。(このあたりよく知らない)。 とあるブログでこれが面白い、と書かれていたのを見て、見に行ってみた。


 
 この映画は、検事と妻、黒人の刑事、ペルシャ人の店主(雑貨店か何か?)、鍵屋の技術者、強盗、TVドラマの演出家とその妻、要介護の父を持つ警官が主な登場人物とする群像劇。ある事件でいったんかかわった者同士が別の事件で再会し、互いの別の面に遭遇していく、といったつくりになっている。
 この作品には、上に書いた以外のたくさんの人物が登場する。彼らの人種は白人、黒人のほかに、アジア系やヒスパニック系、アラブ系とこれまたいろいろである。そして白人でも富裕層と貧困層がいたりと、一言では言えない多様性を持っている。そのことが、いろいろな複雑な摩擦を生んでいる、ということも描かれていた。

 そこで提示されるのは、アメリカに存在する人種差別の問題、ということもあると思うのだが、もっと深いところもあって、それはアメリカのみにとどまらない普遍的なことなんではないかとおもう。それは、高級車に乗ってドレスアップしているような人にも言葉に出来ない不安がある一方で、生活の中の苦労を負っていたり、そんなに豊かでないながらも、もささやかな幸せを感じている人もいる、ということ。一言でいうと、人には陰陽両方がある、ということ。人間としてもそうだし、人生の中で起こる事件もそうだ。


 
 
 

 この映画がアカデミー賞をとるかどうかは不明だが、取れるタイプの映画ではないように思う。なんとなく、ハリウッド映画っぽくない。でも賞をとるとらないにかかわらず、この映画は面白いし、人に自信をもって薦められる映画だ。
by turujun | 2006-03-01 18:06 | 映画