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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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重箱の隅をつつくような話です。

 10月1日、映画の日だったということで、「メゾン・ド・ヒミコ」を見てきました。オダギリジョーが美しく、柴咲コウがやたらブスに作りこんであり、おじいちゃんのゲイがそれぞれ個性的で、あまり邦画を見ない私にとっても、面白いと思います。商業映画でありつつも、押し付けがましさがあまりなく、好感をもって見ることができました。
  
 私はこの映画はファンタジーだなあ、と思います。特にそれを感じるのは、中盤あたり、沙織とメゾン・ド・ヒミコの面々がダンスホールというかクラブというかに繰り出し、「また会う日まで」で踊りまくる場面です。このクラブに入ったときから、フロアで踊る人達は皆同じ振り付けで踊っています。そして、すったもんだがあった後、メゾン・ド・ヒミコの一行がフロアで踊るんですが、みんなちゃんと同じ振りで踊れている→振り付けが入っているんです。これってミュージカルのワンシーンみたいです。ミュージカルの場合、「歌ったり踊ったりする場面がある」ことがお約束だからこそ、そういったシーンを受け入れもし、良いダンス・歌の場面では感動もできるわけです。でもこの映画はその前にも後にもそういったシーンがないだけに、ここでの皆の踊りっぷりは違和感ではないにせよ、「何で皆踊れるんだろう…」という疑問がどうにも湧いてきてしまいます。そもそも晴彦が沙織をフロアに引っ張り出してきた時点で、晴彦はこの振りが入っているよなあ、という感じでもあって、パラパラでもないのに、こうも皆同じ振りで踊るものかなあ、という不自然さが、このシーンにはあるように思います。
 ここでのダンスは、そんなに難しいものではないとは思うんですが、現実的には、フロアで踊っている人を見ただけで踊れるような振りではないのに、このシーンが成立するのは、これがファンタジーだからなのだろう、と納得したわけです。
 
 これだけいろいろ書いておきながらも、実際のところ、このシーンは、この華やかさがあるからこそ良いのだと思いもするのです。

  タイトルどおり、重箱の隅をつつくような話で申し訳ないですが、まあ、そんなことを思ったわけです。でも、冒頭に書いているとおり、上記のようなことを思いつつも、とても楽しく見たんですよ。温かいけど複雑な余韻の残る映画だと思います。
 
by turujun | 2005-10-05 13:40 | 映画