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舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
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そういえば 

うっかり書き忘れていたが、先週の日曜日にNYLON100℃の「消失」を紀伊国屋ホールで見たのだった。前回紀伊国屋ホールに足を運んだのも、NYLON100℃の「フローズンビーチ」であることからすると、私はNYLON100℃でなければ紀伊国屋ホールへは行かない人間なのだなあと言う事が分かる。といってもサンプルは2つしかないが。
 作・演出はいつもどおりケラリーノ・サンドロヴィッチ。前回の「男性の好きなスポーツ」とはうってかわり、これでもか、というほど凄惨なストーリー。舞台は戦争が終わったとある国のどこか。登場人物の名前も、英語ふうだったり、ロシア風だったりと、ちょっと特定できない感じ。(当たり前だが話す言葉は日本語だし)主人公は2人の兄弟(30代)。前半は、仲の良い兄弟が、クリスマスパーティの準備をしているなかで、ちょっとしたやりとりのずれで笑わせるなど、かなり笑い多め。だが、物語が進むに従い、登場人物の人格的なゆがみや侠気、その過去に対する疑惑がじわじわと現れ始めて、凄惨なクライマックスへと転がっていく…という、そんな話。
 
  そんなヘビーな話でありながら、そのヘビーさに対して何か喚起されるものがあったかというと、正直なところそれはない。「フローズンビーチ」の時にはあった、謎のようなものが、この作品にはそんなに感じられない。悲惨さと重さがストレートに表現されているためかなとか、私自身が心身ともに疲労困憊だからなのかとも思うのだけど、分からない。
 
 だからといって、つまらないと思ったかというと、そんなことはなくて、十分面白かったし、「堪能した」感はあったわけで。役者は皆うまい人ばかりだしね。
 
 ただ一つ私が考えたことは、この作品のタイトルって「消失」、英語では「dissapearance」
なのだが、内容的には「削除」もしくは「強制退場」って感じ。そこをあえて「消失」としてのであれば、結構深い。
 
by turujun | 2004-12-17 23:13 | 演劇