人気ブログランキング | 話題のタグを見る

舞台や展覧会など、さまざまな鑑賞活動の記録を綴る。タイトルとの関連はありません。


by turujun
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

労苦に終わりはない

 横浜でチェルフィッチュ「労苦の終わり」を見た。テーマが結婚なせいか、実感が沸かず、へえ、と思いながら観ていた。
  あらすじとしては、一組のカップルがいて、彼らが結婚するという。で、そのプロポーズに至るまでに男のほうにあったこととプロポーズ後に女の方に起こったことについて、語られていく、そんな話。
 チェルフィッチュの作品には、ドラマらしいドラマはない。役者の口にする言葉は、本当にいつも私が生活していて聞こえてくるような、普通の言葉。その中に、日常的でありながら、「あっ」と思うような、当たり前の中に何かを見つけるような感覚にさせる言葉がある。日常レベルだけど、それってひどいよね、みたいなことが起きていても、「そういうことがある」ってことを淡々と見せるから、チェルフィッチュの作品は、嘘っぽくない。
 その一方で、チェルフィッチュは生っぽくない、というかテレビドラマによくあるような、えげつなく人の情緒につながってこようとするような表現がない。むしろその対極にあるといっていい、ドライな感触。
 

 今回、ラストに出てきたピンクのTシャツを着た男の人が、チェルフィッチュのほかの出演者とは違った毛色で、やたらと面白かった。いってみれば、天然な感じ。あの人がトチアキさんだろうか。
by turujun | 2004-11-07 14:00 | 演劇